脱中心の詩学 エドガー・アラン・ポーの比類なき冒険

個数:1
紙書籍版価格
¥3,300
  • 電子書籍
  • Reader

脱中心の詩学 エドガー・アラン・ポーの比類なき冒険

  • 著者名:森本光【著】
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 彩流社(2025/08発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784779130328

ファイル: /

内容説明

本書はポーの作品をめぐる批評集である。三部立て構成となっており、1つの章で1つの作品をとりあげ、厳密に読み解いてゆく。それぞれの章では異なった作品を扱うが、各部ごとに連関したテーマを含む。第1部は「ゴシック・ホラーの喪とメランコリー」。ポーのゴシック的な詩や小説における「横たわる」ことのモチーフに焦点を絞り、それが有する現世主義に対する「脱中心性」を読み解く。第2部は「SFの時空間」。ポーのSF的な冒険小説を取り上げ、そこにおける時空間や身体の超越の問題について批評し、「いま・ここ・わたし」を起点とする人間中心主義的思考を「脱中心化する想像力」を抽出することを試みた。第3部は「起源のミステリーとミステリーの起源」。一見すれば推理仕立ての小説にみえるポーの作品が、本当に謎解きを本質としたものなのか?その疑問から仮面の下にひそむモチーフに注目し、「脱中心性」をあきらかにする。そして補足補完すべく3つのエセーを付し、ポーの短篇小説を翻訳する。それは、ポー文学の脱中心性を知る上で、格好のものとなるのが小説だからである。

目次
序章  なぜ「脱中心」なのか
第1部 ゴシック・ホラーの喪とメランコリー
第1章 死者と横たわること――「大鴉」をめぐって
第2章 横たわることの詩学――「アッシャー家の崩壊」の謎をとく
エセー(1)「夜の訪問者」
第2部 サイエンス・フィクションの時空間
第3章 空気の隠喩――「ハンス・プファールの比類なき冒険」探索
第4章 自我なき海への郷愁
    ――「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」SF・脱中心
エセー(2)萩尾望マンガの脱中心性
第3部 起源のミステリーとミステリーの起源
第5章 太陽の指針――「黄金虫」と「スタイラス」の図像学
第6章 脱中心の詩学――「モルグ街の殺人」における遊戯の規則
エセー(3)動物好きに捧ぐ
付録  翻訳「楕円形の肖像」「週に三度の日曜日」
      「ウイサヒコンの朝」「本能と理性」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

亜済公

2
ポーの創作論においてはユリイカでいうところの「神」=「第一原理」つまり、『構成の原理』でいうところの物語の目的/Unity of effectが重視されている。この紛れもない「中心」をどう扱うか、もう少し議論して欲しかった。2025/05/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22463337
  • ご注意事項

最近チェックした商品