ライプニッツと西田幾多郎――分析知と直観知の両立を求めて

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ライプニッツと西田幾多郎――分析知と直観知の両立を求めて

  • 著者名:大西光弘【著】
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 明石書店(2025/08発売)
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  • ISBN:9784750354750

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内容説明

ライプニッツの哲学を分析知=西洋的な知の、西田幾多郎の哲学を直観知=東洋的な知の典型とみなし、カッシーラーや鈴木大拙、井筒俊彦らの思想を援用しつつ、それらの知の違いを解き明かすとともに、現代文明の諸課題に対処すべく、その両立を模索する試み。

目次

まえがき
第1部 分析知と直観知
第1章 分析知と直観知
1 ベルクソンによる「分析知と直観知」の定義
2 群盲象を撫でる
3 分析知と直観知
4 マニュアル知と脱マニュアル知
5 西洋知と東洋知
6 科学的な知と非科学的な知
第2章 アインシュタインの発見法
1 帰納と演繹
2 アインシュタインの発見法
3 大陸移動説
第3章 3つの直観知
その1 脱マニュアルの直観知
その2 いわゆる直観知
その3 ライプニッツのいう直観知
第2部 ライプニッツと西洋知
序章 カッシーラーのシンボルの哲学
1 シンボル的形成体
2 シンボル現象の諸相
第1章 ライプニッツの認識理論
1 「認識、真理、観念についての省察」における認識理論
2 定義
3 『形而上学叙説』における認識理論
4 『人間知性新論』における認識理論
第2章 プラトンからライプニッツを経て人工知能へ
1 プラトン
2 デカルト
3 マルブランシュ
4 アルノー
5 ライプニッツ
6 公理的思考の起源としてのユークリッド幾何学とヒルベルトによるその完成
7 ヒルベルトとブルバキとライプニッツ
8 内的矛盾を含まない無限集合論
9 ラッセルのパラドックス
10 ラッセルの階型理論
11 ブラウワーとヒルベルト
12 ゲーデルとチューリング
13 ディープラーニングと人工知能
第3章 ライプニッツの形而上学
1 モナドとは何か
2 上位モナドと下位モナド
3 モナドロジーと複雑系科学
4 モナドと身体
5 植物と動物と人間と神のモナド
6 窓をもたないモナド
補章 ライプニッツと西田をつなぐもの――リップマンの『世論』
1 ライプニッツと西田をつなぐもの
2 リップマンの『世論』
第3部 西田幾多郎と東洋知
序章 西洋知と東洋知の違い
1 西洋知と東洋知の違い
2 鈴木大拙による「さとり」の表現
3 八木誠一の宗教的経験
第1章 原始仏教――「無執着」の教え(=空)
1 釈迦の時代の知の枠組が見せていた現実
2 釈迦がさとりによって見たもの
3 縁起
4 五蘊
5 「流動の存在論」と「常住不変の仮名」
6 四聖諦
第2章 大乗仏教――無執着への無執着(=空の空)
1 出家者の仏教と在家者の仏教
2 『般若経』
3 般若波羅蜜
4 菩薩
5 空
6 空の空
7 筏の比喩
8 般若波羅蜜は般若波羅蜜ではないからこそ般若波羅蜜である
9 蓮の花と医者
第3章 鈴木大拙の「即非の論理」
1 即非の論理
2 『日本的霊性』
3 大拙の文明論
第4章 西田幾多郎の「矛盾的自己同一」
1 『善の研究』――西田哲学の原点
2 『働くものから見るものへ(後編)』――「場所」の思想の成立
3 『一般者の自覚的体系』――三層の場所の体系
4 『無の自覚的限定』――絶対無の自己限定による有の生成
5 『哲学の根本問題』――個物的限定と場所的限定
6 『哲学論文集第一第二』――矛盾的自己同一
7 『哲学論文集第三第四第五』――西田とライプニッツ
8 『哲学論文集第六第七』――西田の宗教哲学と平常底
第5章 井筒俊彦の「有と無の二重写し」
1 「山は山ではないから山である」
2 分節と無分節
3 有と無
4 自性と無自性
5 「漢字が無意味化する」という経験
6 「山という漢字」における「有Ⅰ・無・有Ⅱ」
7 「あの山」における「有Ⅰ・無・有Ⅱ」
8 応無処住而生其心
9 井筒と西田と大拙と般若経
あとがき
謝辞
邦語文献表
外国語文献表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

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1
分析知と直観知: ベルグソンによる「分析知と直観知」の定義 アインシュタインの発見法 3つの直観知 ライプニッツと西洋知: カッシーラーのシンボルの哲学 ライプニッツの認識理論 プラトンからライプニッツを経て人工知能へ ライプニッツの形而上学 ライプニッツと西田をつなぐもの―リップマンの『世論』 西田幾多郎と東洋知: 西洋知と東洋知の違い 原始仏教―「無執着」の教え(=空) 大乗仏教―無執着への無執着(=空の空) 鈴木大拙の「即非の論理」 西田幾多郎の「矛盾的自己同一」 井筒俊彦の「有と無の二重写し」2022/11/17

yokkoishotaro

0
大変興味深かった。特に、禅や大拙につながっていく過程が興味深かった。 実際に起こっていることと起こっていることを想像することは違う(と思う)のだけれども、その距離の取り方を改めて考えることができた。大変有意義だった。2023/06/30

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