内容説明
大谷恭子さんのライフワーク「インクルーシブ教育」の実情に迫る!
2009年夏に発足した民主党政権下で本格始動した障害者制度改革は、2013年6月に障害者差別解消促進法の成立を経て、2014年1月の障害者権利条約批准で一定の進展を見た。本書では、この間インクルーシブ教育への制度的転換を求めてきた経緯を振り返り、その到達点と今後に向けての課題を確認する。実際には、今なお親が我が子を振り分けていることが多いことを踏まえ、視察先の北欧やイタリアの現状を報告する。昨年10月に逝去した弁護士の大谷恭子さんのライフワークでもあったインクルーシブ教育と障害者差別撤廃への取り組みを余すところなく収載した。
【主要目次】
1 国際社会の流れ
2 日本の障害児教育の流れ――専門家による振り分け
3 制度改革の転換への提言
4 インクルーシブ教育における合理的配慮
5 教育現場は変化したか――医療的ケア児の就学裁判について
6 川崎裁判の違法性
7 2022年総括所見の内容
8 私たちは何をするべきか
9 特別支援学校(学級)が増え続ける現状を当面どう変えるか
10 障害者権利条約24条とは
11 スウェーデンのインクルーシブ教育視察
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カッパ
9
これまで当然と思っていたことが揺らいだ。私は息子を支援級に入れたことを「良い選択だった」と信じてきた。安心できる環境や個別の配慮があることは確かに助けになったが、この本は、その裏にある“分けること”がもたらす無意識の線引きや、子ども同士の関係性への影響を突きつける。守るための分離が、同時に社会からの距離を生むかもしれないという視点は、これまで考えきれていなかった。単純な善悪ではなく、制度や環境の中でどう「共に学ぶ」形をつくるかを問いかけられた。息子の未来を思うと、選択の意味を改めて深く考えた。2025/09/12
いとう
6
間違いなく、人生を変える一冊だと思う。 もやもやしていた気持ちがクリアになった。これまで口にしていいのか迷っていたことも、積極的に意見として表明していこうと思えるようになった。 インクルーシブ教育とは、教育の形態や方法の一つではなく、「基本的人権」であるということ。この点を見誤ると、「完成形」や「見本」があるかのように誤認されがちだが、人権としてのインクルーシブ教育には完成はなく、常に獲得し続けるべき目標でなければならない。2025/06/30
Go Extreme
2
インクルーシブ教育:人権保障 差別解消 社会包摂 共生社会 障害児教育 教育制度改革 特別支援学校 教育の質 教育現場 文化変革 日本の教育:学校教育法 障害児分離 特別支援 就学義務 教育委員会 保護者意向 専門家判断 調整機関 制度改革 政策提言 国際的動向:障害者権利条約 合理的配慮 インクルージョン 教育環境改善 教育の普遍性 法的枠組み 研修支援 社会的受容 北欧モデル 今後の課題:教育法改正 施設整備 支援強化 研修制度 地域連携 社会意識変革 合理的対応 未来展望 政策推進 包括的支援2025/03/10
あさつゆ
0
分離教育をやめてインクルーシブ教育に舵をきることが、子どもと教師と、そして社会を変える重要なことだと改めて感じた。2025/08/11
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