内容説明
本書は、『法律時報』96巻8号(2024年7月号)の特集記事を収録しています(連載など、ほかのコンテンツは含まれておりません)。「契約の死」という現象に着目し、この現象の現代的意味を論じる。AI技術や約款の活用、スマートコントラクトの実装など、意思の介在する余地が低下した現代社会において、法学は「契約の死」をどう乗り越えるのか。現代社会特有の問題に照らし、意思により成立する契約という仕組みの変容について議論する。・企画趣旨……西内康人(京都大学教授) ・契約法3.0――法類型論による……船越資晶(京都大学教授) ・スマートコントラクトは「使える」のか――技術的な基本事項とその限界……西村友海(九州大学准教授) ・権利確定システムとしての約款――約款における意思の位置づけ……松田貴文(名古屋大学教授) ・非法的規範との関係に見る「契約の死」……池田悠太(東北大学准教授) ・危険責任の拡張と権利論……長野史寛(京都大学教授) ・現代無過失責任論の一断面――AIシステムに起因する損害の 補をめぐる議論を素材として……中原太郎(東京大学教授