内容説明
逆境を生き延び、アディクションを抱える女性たちが安全でいられる場所をつくる――領域の垣根を越えケアを問いなおす実践の軌跡。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
6
女子刑務所プロジェクトに関する言及があるので購読。女性の薬物依存症問題にかかわり、女性たちの居場所を運営し続けてきた著者による、リカバリーというフィールドワークを通じた考察をまとめたもの。女性の依存症や犯罪を行った人を支援する場合の、自分だけのことを考えればいいわけではない(たとえば子どもや家族を優先せざるをえない状況など)ハンディ、「誰かに気遣われている」ことを実感する大事さ、刑務所における処遇の限界(塀の中の処遇と外の現実の生活が断絶してしまっていること)などが勉強になった。2025/02/21
uchiyama
2
「依存症は、依存が苦手な状態のことだと理解すべきです。暴力を受けて育てば、人への信頼が失われ、人に依存できなくなるというのは自然な流れです。人に依存できないなら、消去法でモノに依存するしかないですね。」「薬物依存を含む物質依存は、こうして人への依存のできなさから起きることが少なくないのです。「依存先の少なさ」と「かぎられた依存先への依存度の深さ」はセットです。」なるほど、と思いました。女性受刑者への支援の章は、以前読んだ「反省させると犯罪者になります」のことを思い返したりしました。2025/04/27
Go Extreme
1
女性の依存症: 女性は薬物依存の全体では少数派・進行早く治療機会が限られる 治療格差ー特に母親は治療プログラムの完了困難 ケアの重要性: 女性は家庭内外でケアを担うことが多くコロナ禍で負担増大 支援者ー依存症者のトラウマを理解し対等な関係を築く プログラムと支援方法: 治療プログラムー依存の背景を理解し社会復帰を支援 自己決定ー患者が自ら選択し主体的に支援を受けること重要 課題と展望: 社会的支援の強化ー地域ネットワークやサポート体制の整備 未来への展望ー依存症の理解を深めケアの質向上のため研究と実践2025/02/05
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