内容説明
付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、どこにも居場所がないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司……。でも、いま見えていることだけが世界の全てじゃない。知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり。残業中のオフィスで、事故現場で、フェス会場で、奇跡は起きる。優しさと驚きに満ちた現代版おとぎ話。
※この作品は二〇二二年四月小社より刊行されたものに、「オハラ☆ブレイク?22秋」で配布された小冊子「猪苗代湖でまた会う話」を加えたものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
78
何だかずっとフワフワした読み心地。それはエンジン積まずに飛ぶグライダーから始まる物語だからいいのだ。何だか馴染まないスパイの話と身近に読める若者の日常が交互に語られる構成に惹かれるも、はっきり重ならずスッキリしない...なるほど一年ごとを経て、若者は恋に仕事に人生を歩むも、スパイはずっとピンチ継続中(笑)グラグラした結果、ようやく果たされる邂逅!きっかけとなるゲーム配信とか揃うなどの要素はさすがに上手い!日本三景にハッとしてからの松竹梅でクスリは反則!仕方がないよ!〈やっとハッピー 手放さねーぞ〉だもの!2025/09/16
ふう
71
伊坂氏のやさしさと東北愛があふれる作品でした。自分のすぐそばに、目には見えないマイクロの世界があるかもというおもしろさ。コロボックルの超未来版?でも、どちらの世界で暮らす人々も、悪意よりは善意の方が幸せに近いことを知っていて、誰かの幸せのために行動することが好きなところがすてきです。机の上にカップを置きっぱなしで帰宅しては行けませんね。人の思いは咄嗟のときの行動に表れるものだと、あらためて思い知らされました。良くも悪くも。2025/09/11
里愛乍
55
伊坂さんの単行本は、読み終えていい感じに自分の中で消化された頃に文庫化する。早過ぎず遅すぎず、そろそろ読み返したいな…って時なので躊躇なく買いました。本書はオハラブレイクにて配布されていた冊子を一冊にまとめたもの。音楽フェスに短編小説で参加するなんて如何にもらしいなと思いつつ、自分もほぼ毎年参加してました。だから記憶が一気に単行本を飛び越えて、気分はすっかりあの時の猪苗代湖。ペテカンさんのお芝居やTOMOVSKYさんのライブを思い出す。あの夏が再び蘇りました。2025/09/03
F
54
構成の仕方が今までと異なる気もしましたが、伊坂さんらしいと言えばらしい構成でもあり、、あとがきを読んで納得。どう展開していくのかとワクワクしながら読みました。過去の伊坂作品の要素も取り入れつつ進んでいき、読んでいて飽きません。普通の会社員とエージェントの少年、違う世界が少しずつ交わっていく技術が流石伊坂さん。7年かけて作られている作品なのに伏線が次々と回収されていくのも流石ですし、気持ち良かったです。各エピソードがどれもスッキリした終わりで良かったです。門倉課長が好き。見知らぬ誰かの幸せを願う、素敵です。2025/08/15
kei302
47
「猪苗代湖でまた会う話」が追加され文庫化。元いじめられっ子のスパイとか、謝罪上手な上司とか、ガリバーみたいな設定とか、色々楽しめた。随所に登場する歌詞、音楽が想像できなけど、現実的・哲学的・教訓的で笑える。3つ揃えば奇跡が起きる! 表紙のカップの中にはG!2025/08/30
-
- 電子書籍
- 陰キャの俺が修仙世界でウハモテ逆襲した…
-
- 電子書籍
- むぎのはな~shared life i…
-
- 電子書籍
- 一匹狼の花嫁~結婚当日に「貴女を愛せな…
-
- 電子書籍
- 婚約者の浮気現場を見ちゃったので始まり…
-
- 電子書籍
- 残念系悪役令嬢は3年後に破滅するようで…