角川新書<br> オスマン帝国の肖像 絵画で読む六〇〇年史

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角川新書
オスマン帝国の肖像 絵画で読む六〇〇年史

  • 著者名:小笠原弘幸【著者】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • KADOKAWA(2025/08発売)
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  • ISBN:9784040825205

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内容説明

イスラムを愛しながら、西洋文化を取りこむ
帝国の欲望を天才たちは写生した――

血統を証する系譜書、武功を残す遠征記、君主を寿ぐ祝祭の書など、史書の重要な一部として、オスマン帝国の事跡を記録したのが緻密な細密画や洋画の名品だった。古都コンスタンティノープルを征服し、メッカを版図に収めて600年間に渡って世界に名を轟かせた「尚武の国」では、東西の文化が混交した独自の世界が花開く。肖像画が禁止され磨かれたイスラムの伝統的な文様と、ルネッサンスなど西洋の文化潮流とを余さず取り込んだ唯一無二のオスマン絵画の世界。その絵筆は、君主たちの覇業と衰亡をどのように描いてきたのか? 東西文明の境で紡がれた知られざる絵画史を第一線の研究者が綴る。

◆コンスタンティノープルの征服王メフメト二世は西洋絵画を愛好した
◆立法王スレイマン一世治世の世界地図にはアメリカ大陸も描かれている
◆1922年、帝国最後のカリフは洋画家だった

★★「オスマン帝国の名画」カラー口絵収録★★


【目次】
はじめに――オスマン帝国を描く

第一章 イスラム教と絵画の複雑な関係
第二章 帝国の誕生――伝統的細密画とルネサンス絵画〔15世紀〕
第三章 古典期細密画の確立――宮廷工房の絵師たち〔16世紀〕
第四章 チューリップ時代――多様化と大衆化〔17-18世紀〕
第五章 近代と改革――洋画の黎明〔19世紀〕
第六章 帝国の終焉――黄昏に花開く美術界〔20世紀〕
おわりに――トルコ共和国を描く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

25
イスラムを愛しながら西洋文化を取りこむ帝国の欲望を天才たちは写生した。史書の中の絵画に描きこまれた覇業と衰亡の600年史を紐解く1冊。血統を証する系譜書、武功を残す遠征記、君主を寿ぐ祝祭の書など、偶像崇拝の制約の中で発展した細密画は、単なる装飾ではなく、帝国の威光や歴史を記録する重要な手段で、肖像画が禁止され磨かれたイスラムの伝統的な文様と、ルネッサンスなど西洋の文化潮流とを余さず取り込んだオスマン絵画の世界は近代化の波とともに洋画が台頭し、軍人や女性画家の登場など新たな動きが見られるのも興味深いですね。2025/09/06

ジュンジュン

13
ヨーロッパならいざ知らず、イスラーム世界を「絵画で読み解く」事が可能なのか、しばし疑いなら読み始める。なるほど、絵画=洋画となるのは19世紀以降で、それ以前は細密画がメインとなる。細密画とは写本(本書では手稿本と表記)の挿絵のこと。イスラム教の厳しい戒律(偶像崇拝の禁止)を足枷としながらも、発展したオスマン絵画を追いかける。ただ、西洋画を見慣れた身としては、そっちにぐっと寄せた近代以降の作品に魅力を感じてしまう。2025/10/28

MUNEKAZ

9
オスマン帝国の絵画というなんともニッチなテーマの一冊。偶像崇拝がご法度のイスラム圏の国ながら、ペルシャ由来の細密画の影響や西洋のルネサンス絵画に刺激を受けながら独自の発展を遂げた歩みはなかなか興味深い。タンジマートに始まる近代化政策の中で、軍事と並んで美術も西洋化が急務とされたため、軍人が洋画家として活躍したとかは面白いエピソード。美術史の専門的な内容に深入りするのではなく、オスマン帝国史とリンクさせる平易な語り口は、様々な切り口からオスマン帝国の魅力を紹介する著者の着眼点の良さを示している。2025/10/12

(k・o・n)b

9
オスマン帝国における絵画の歴史を時代ごとに区切りつつ概観する一冊。まずこのようなニッチなテーマを母国語で・新書で気軽に読める環境を有難く思うし、オスマン帝国の通史や共和国時代についての著作に加えて本書も手がけた著者のカバー範囲の広さに驚かされる。読み進めると、芸術の歴史がオスマン帝国の政治史と地政学的な位置に大きく影響を受けていたことがよく分かる。まず前提として、イスラム世界では絵画、特に人物画への忌避感が存在していた。だが、序盤からいきなりメフメト2世がルネサンス美術に傾倒し、西洋風の肖像画を描かせた→2025/09/12

於千代

4
オスマン帝国の美術史を概観する一冊。絵画史の流れから見ても、トルコが西洋と東洋の結節点に位置していたことを改めて実感する。イスラーム世界における図像規制のあり方も一様ではなく、「裸で礼拝をするわけではないから」という理由で風呂場では神の絵画表現が比較的許容されていた時代もあった、という話には少し笑ってしまった。2026/01/05

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