内容説明
糞ったれな世界に、刃を――。戦国時代。戦に敗れ捕らえられた少年武士・真鍋八弥。南蛮商人に売られ海を渡り、奴隷兵士となった彼は、世界中から富を吸い上げ繁栄を謳歌するイスパニア(スペイン)海軍の一員として各地を転戦し名を上げていく。しかし、彼が植民地で目にしたのは、残酷で無慈悲な現実だった。苛烈なる流転。若きサムライの苦悩と激情を描く、滾る歴史冒険譚、爆誕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
138
戦国時代に海外へ雄飛した日本人は呂宋助左衛門や山田長政が有名だが、奴隷として売られた侍が主人公とは着眼点が巧い。剣の実力が認められスペイン軍の兵士となるが、植民地支配の残酷さに反発してイングランド軍に参加し、かのドレイク指揮下で海兵隊のような白兵戦部隊として戦い、最後はアルマダの海戦で大活躍するに至る壮大なドラマが展開する。信長や秀吉ら武将の戦いも面白いが、あの頃に地球を半周した彼方で歴史を変えた戦いに加わった日本人がいたと考えるだけで胸が躍る。狭い日本から飛び出して思うがままに生きた若者の軌跡は圧巻だ。2025/10/21
ポチ
42
織田軍の兵士から奴隷となりイスパニアの兵士となり次は…、死の淵を何度も覗く若き侍の過激な思いもよらない人生。迫力ある海戦などの描写も良く読みやすいです。2025/09/13
kawa
36
戦国の戦いで捕虜としてイスパニア(スペイン)傭兵として売り飛ばされた主人公・八弥。マニラでの囚われの奉公期間から解放された後、インド、アフリカ、イギリスそしてカリブへとの放浪旅を描く。当時の帝国主義国家のイスパニアとイングランドの間の争いに翻弄される主人公はやがて…。フィクション多用のストーリーながら、全く白けることなく物語に没入できるところが、歴史エンタメとして秀逸。スペイン無敵艦隊と英国艦隊の対決・アルマダ海戦の詳細が最大の読みどころ。堪能でした。2025/11/25
風花 kazahana
11
手に触った本を借りたが なかなか面白かった。「村上海賊の娘」で描かれたあの海上戦で敵に捕まり 奴隷として外国に売られた八弥。そこからイスパニア(スペイン)の奴隷兵士にされてしまい戦いの日々に投げ込まれてしまう。今のアメリカ対イランの戦争も思わせる 宗教と金の絡んだ愚かな戦い ただ無残に殺されていく現地民たち。宗派が違うだけでここまで対立して殺し合うのは現代に生きる私には理解できないが 現にそんな理由で今も戦争をしている。物語の最後の方は八弥の物語というかアルマダの海戦の話で頭の中が少々混乱。勉強になった2026/05/12
あまいちろう
11
戦国時代、主人公の若き侍は戦に敗れ、奴隷としてイスパニアが支配しているフィリピンに送られるが、剣の腕を見込まれ、インドを経て正規兵としてイスパニアに向かう。幾多の海戦を経て、最終的にはイングランド軍に加わるという数奇な運命を辿る。戦国時代の海外の事情が描かれ、興味深いが、戦いの根底には宗教がある。キリスト教の中でも、カトリックとプロテスタント、イスラム教徒との戦いもあり、宗教を背景とした民族間の対立にはやるせない思いだ。海外に出た日本の侍の物語。作者の着眼点はなかなか良いと思う。 2026/03/27
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