内容説明
明治、大正、昭和初期。女性にとって今よりもはるかに抑圧の多かった時代にも、自分の心の声に従って生きたエキセントリックな女たちがいた!
「個性的」という言葉すら生ぬるい女たちの生き様を、愛を込めて描く傑作ノンフィクション。
目次
はじめに
第一章 物議騒然
「水銀事件」で社会デビュー 丹いね子
イタリア人狙撃事件で一躍有名になった少女 深谷愛子
「千人斬り」伝説の女 松乃門三艸子
金色夜叉となった「虚飾の女」 小林孝子
美貌と才気と芸能と社交で東京を背負った女 江木欣々
男のために小指を落とした女 照葉
美貌で神童のバイオリニスト 諏訪根自子
歌に生き恋に生きた女 田中路子
第二章 不撓不屈
男装のバンカラ陶彫家 月谷初子
世界に向かって気を吐いた女 ラグーザお玉
大陸を駆け回った「シベリヤお菊」 出上キク
芸者から尼になった無手の女 大石米子
「裸ダンサー」「学者芸者」と呼ばれた女 花園歌子
「ドーリー」と呼ばれた女 薩摩千代
第三章 大胆不敵
「軍艦女史」と呼ばれた女 阿部銀子
「民権ばあさん」と呼ばれた女 楠瀬喜多
一皿のハヤシライスを夢見た女 林禮子
「鉄成金」と呼ばれた女 中村照子
芸と神秘に憑かれた女 木村駒子
モデルと弟子と愛人に挑戦する女 山田順子
おわりに
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
52
時代が追いつかないのか、早く生まれすぎてしまったのか、わかりませんが、どんな時代でも、体制という枠にはおさまらない人はいるものだと思います。今の時代から見れば、さぞかし窮屈だっただろうにと思うこともあります。こうした方々に陽をあててくださる平山さんの一連の作品は貴重な資料です。戦後編になれば、少し知っている方々も登場してくるのかと楽しみです。2025/12/06
くさてる
19
どの時代でも、こうやって世間が求める「普通」の女としての生き方からはみ出てしまう女性たちはいたはず。けれど、戦前という時代の不自由さを思えば、そこで自分を持って生きた女性たちの個性は、まさに「エキセントリック」と呼ばれるものだったのかもしれない。でもね、こうやって普通の物差しから外れて生きた女性たちの残した爪痕が、いまの私たちの生き方にも広い意味で影響を与えているんじゃなかろうか。この本で紹介されているたくさんの女性たちの生き方を読んで、そんなことを思いました。おすすめ。2025/10/30
あずき
7
戦前にこんなにパワフルな女性陣がいたことに改めて感動。子供時代、父が集めていた「太陽」別冊で昔の文化人の恋愛事情や行動を読んでいて知った著名人との繋がりも面白かった。あの交通手段も船だけで海外あちこち回っているのもすごいな。戦後編も是非!読んでみたいです。2025/08/21
manabukimoto
5
痛快、爆笑、そして驚愕。 明治から昭和初期までのエキセントリックな女性たち二十人を紹介した偉人/異人伝。 文壇界で千人斬りを成したりと、亡き夫の会社を引き継ぎ女社長として有数の会社に成長させたり。 大正デモクラシーの途上で、民主主義はおろか、ジェンダーなんて発想は皆無の時代に、今までにない=前例を踏襲しない=エキセントリックな生き方を選んだ彼女たちの生き様のカッコいいこと。 保守化している現代では、なかなか現れないのでは。 二十人、誰一人知らなかった。歴史の海は広く深い。2025/08/11
きよきよ
3
昔の色々な変わった女性の話。紹介文はおもしろかったが、細切れだったのと人数が多すぎてイマイチ。★★⭐︎2.52025/10/05




