講談社文芸文庫<br> 路草 朽花 川崎長太郎初期名作集

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講談社文芸文庫
路草 朽花 川崎長太郎初期名作集

  • 著者名:川崎長太郎【著】
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  • 講談社(2025/08発売)
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  • ISBN:9784065404225

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内容説明

武田麟太郎の斡旋で1934年(昭和9年)に刊行された連作集の『路草』と三人称客観描写の中篇「朽花」を中心に据えた作品集として1937年(昭和12年)に刊行された『朽花』は、川崎長太郎が東京で文壇に連なって作家として生きていた時期の単行本。
この2冊から「初期名作集」として新たに構成したのが本書である。

単行本『路草』収録の5篇から、のちに作家本人によって、冒頭に置かれた「その一 飛沫」が割愛され、「その一 穽」「その二 隻脚」「その三 泥」「その四 路草」という四章立ての連作「路草」となっている。
「路草」は、カフェの女給である民枝と作家本人に近い存在である主人公のもつれた関係の転変、そして悲痛な破局を緊迫感あふれる筆致で描いている。

また、「朽花」は、徳田秋声の息子である徳田一穂が私娼街・玉の井の娼婦を足抜けさせようとして孤軍奮闘するさまを三人称で描く、いわばモデル小説である。

本書では、タイプの異なる2篇を収録することで、可能性を秘めた若い作家だった川崎長太郎の初期の姿を、コンパクトでありながら鮮やかな形で1冊の文庫本に収めることをめざした。

講談社文芸文庫版として著者の歿後40年の節目に刊行するにあたり、「路草」に関連して単行本に収録されながら後に割愛された「飛沫」を、「朽花」について著者が書いた短いエッセイを、それぞれ参考資料として収録することで、川崎長太郎や私小説の愛好家向けに工夫をこらしている。

目次

目次:
路草
朽花
参考資料
飛沫(短篇小説)
『朽花』のこと(エッセイ)
解説
年譜
著書目録

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

alberi

1
川崎長太郎は私小説作家ではあるが、心境(小説)作家ではなく風俗作家で、私小説的風俗作家として異色ある存在である。浅見淵 メモ 心境小説、、作者が自身の経験や日常生活をもとに、自身の内面や心境を描写する小説です。しばしば「私小説」とほぼ同義で使われますが、作者が描写する対象を主眼に置く「私小説」に対し、その対象を媒介として「自身の心持ち」を掘り下げることに重点を置いたものを指すことがあります2025/10/16

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