内容説明
アメリカのトランプ大統領による混乱、
そしてBRICSの存在感の高まり。
二つの別々の現象を同時に捉えると、
「多極化する世界」という大きな時代の流れが見えてくる――。
本書では、「英米系」地政学理論と「大陸系」地政学理論という
二つの異なる地政学理論の視座を用いて、
トランプ大統領のアメリカと、ロシア、中国、インドなどのBRICS有力国に焦点を当て、
現代世界における「多極化」の様相を探った。
その過程では、各国の歴史、政治、経済、
リーダーたちの思想的傾向や政策の方向性なども分析対象としている。
トランプ第二次政権が目指す理想のアメリカとは?
BRICSが戦略的な拡大を進めている意味とは?
トランプ第二次政権とBRICSの動向に注目することで、
混迷する国際情勢を読み解くためのヒントが浮かび上がる。
普遍主義的なグローバル化の流れは、もはや時代遅れとなった。
多極化した世界で有力国が、生き残りを図っていく時代が到来している。
■BRICS(ブリックス)とは
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの主導で構成する
新興経済国サミットの名称。
多国間主義を標榜し、脱ドル化を推進する。
アメリカをはじめとした西側諸国による
経済制裁を回避するための政治的・経済的な互助グループの側面も持つ。
2025年6月時点でBRICSに参加する正式加盟国は10カ国、パートナー国は10カ国となっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
16
2025年8月刊行。活発な発言を続ける国際政治学者、篠田英朗氏の新著。世界は多極化しているという認識に立って、世界の変化の大きな図を描く。2期目のトランプ大統領の政策とBRICSの動向が二本柱。個人的には前者の論点が新鮮だった。トランプが行っているのは、19世紀アメリカの政策への回帰だ。特に自国製造業育成のために高関税を設定するアメリカン・システムという政策だ。この政策は建国時のハミルトンを源泉として19世紀前半に指導層に広がった。トランプも米国の歴史に根ざした存在なのだ。2025/08/14
TS10
13
多極化する国際政治の動向をBRICS拡大と地政学理論の視点から分析する。エネルギー貿易の世界的な脱ドル化を目論むロシア、挟撃を避けるべく大陸諸国との継続的な協議の場を求める中国、ヒンドゥー至上主義の点からイスラム教の影響を抑えるべく、他の大陸諸国と「圏域」を尊重し合おうとするインドと、各国がBRICSに重きを置く動機は様々だが、それぞれの勢力圏を尊重し合おうとする姿勢は共通している。普遍的な理念よりも、大国間で中核的な利益を尊重し合う大陸的地政学の色彩が濃い世界が到来しつつある、ということだろう。2025/08/31
Tanabata
1
第1章、のっけから強烈な文章 「日本は多くの指標について最悪の水準にあると言って良いが、低経済成長、巨額の財政赤字、人口激減、少子高齢化などはいずれも小手先の政策で巻き返せるようなものではない」(^◇^;)2025/11/15
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