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内容説明
この世界には彷徨うことでしか辿り着けない場所がある。
AIの飛躍的な進化を導く科学者らが探り当てた、オープンエンドネス〈終わりなき探索〉というコンセプト──「最高の目標を達成するには、それを捨て去る覚悟が必要だ」。AIを変えたアプローチは、目標志向で進む研究や開発のみならず、芸術、教育、組織、生活、その多くを変えることができるかもしれない。
本書の原書(米国版)が出版されたのは2015年のこと。「目標を設定しないことで、むしろ価値ある結果に至る」という、AI研究の中で得た知見の汎用性に気付いた著者らは、分野を超え、すべての人に向けて、易しい言葉で本書を執筆しました。この逆説は、多くの専門家に転機をもたらし、AI研究の核にも据えられています。しかし、いまだ多くの物事が「目標」に囚われ、私たちは目標から逆算して動くことが常になっています。もちろんなかには定めるべき目標もありますが、目標が野心的であればあるほど、それは偽りのコンパスに頼るようなもの。
事前に目的地を定め、できるだけ最短距離で目指す旅は、創造的な探求にはなりえません。あえて目標をもたないことでこそ、偶発的な出会いや予測不能な創造が連鎖し、計画的には到達しえなかった価値や視点が立ち現れてきます。本書が示すのは、そうしたプロセスを肯定する視座であり、創造性を開く構造としてのオープンエンドネスです。
あなたが興味をひかれてゆく道と、また別の道を誰かがゆくことの価値に思いを馳せて。今一度、創造的な社会の指針にしたい一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mim42
9
本書の主張は簡潔だ。「野心的な目標を持つことには意味がない」。中間成果物が目標成果物と似ても似つかない(欺瞞)のだ。本論ではゴールよりも「足掛かり」たる中間成果物の多様性や発展性の方が重要視される。管理職を解雇されたRチャンドラーやガソリンスタンド経営に一旦辿り着いたCサンダースの例。我々の営為は、生命や文化(科学や技術や道徳)の進化と同じ自然現象なのだと。欺瞞の多い、AI等の科学研究の評価における性能向上や理論保証とは別軸の提案。新規性、優美性、自然との類似性、シンプルさ、想像力、インスピレーション等2026/04/21
Kei
2
https://note.com/kei_book/n/ndea97a0072252026/01/15
はひへほ
1
新規性探索は目標駆動探索の方がイノベーションを引き起こせると主張。目的関数の最適化や探索空間の話は個人的には伝わりやすかった。とはいえ、いくつか気になる点もあった。Picbreederという画像生成のアルゴリズムに例示を頼りすぎではと思った。また、教育の分野での説明は、目標を立てることが悪いというよりは、ハックされる指標の性質を考慮しない仕組みが悪いように思った。こういった話は『測りすぎ』の方が面白い。全体として噛み合ってない感じと、もっと削って短くした方が良かったようにも思った。2026/03/04
冬桜
1
本書を知ったきっかけは「ほんのれんラジオ」。従来より絶対的なものとして君臨している「目標駆動型アプローチ」を批判的に考察。設定された目標そのものが見当違いであった場合、目標志向型では成果を生み出しづらい。一方、新規性や興味深さをもとに探索するアプローチでは結果的に成果を出すことができる。という一見常識はずれな考えが様々な実験から論証される。2025/12/31




