内容説明
経済成長が最優先されたあの頃、昭和30~50年代の村では、鳥獣害に悩みながらも焼畑で生計を立て、祭りに願いを託した人びとの「ふつうの暮らし」があった。 宮本常一が所長だった日本観光文化研究所に所属し、日本全国の村で「あるくみるきく」ことを誠実に続けてきた写真家、須藤功による写真エッセイ。宮崎県西都市の「銀鏡神楽」、同県西米良村の「焼畑」、愛知県東栄町の「シシウチ」、三信遠の「田遊」「田楽」、アイヌの「イヨマンテ(熊送り)」…二度とふれえぬ時代の光景が、そこにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
37
新刊コーナーより。クマ問題が目立った2025年に出版されるにはタイムリーな内容ではないでしょうか。そもそも人という弱い生き物は、社会を作り、掟を守ることで団結して外部の脅威から身を守ってきたのだ、ということを再確認させられました。御柱祭など諏訪エリアや岩手の早池峰など、自分が好きで何度も訪れている地域と比較しながら楽しみました。21世紀にまた学ぶべき知恵が、ほのかに隠れている気がします。2025/10/05
月音
7
著者は民俗学者・宮本常一と同じ研究所に所属、氏の薫陶を受けた写真家。本書は焼畑作りと、畑の獣害対策・食料のための狩猟、それらにかかわる祈願・感謝を込めた芸能、喪の宗教儀礼を通して人々の願いのかたち、生活環境、歴史を見ていく。考察は控えめ。それよりも、著者は日々の労働と季節ごとの祭礼・行事をそば近くで記録・撮影することで、人々の息遣い、先祖から受け継がれたものを守っていく気概を映しだす。深い山々、土のエネルギーに、人々の熱気が一体化しているようだ。⇒続2025/10/28
ケイケイ
2
⭐⭐⭐⭐昔、山の獣と人間は、上手に共存していた。山の獣を、山の神からの贈り物と捉え、一定のリスペクトを、イヨマンテ(熊送り)の儀礼や祭りなどを通して、感謝とリスペクト、お返しをしながら。この人間の自然と調和していきる智慧は、現代の害獣問題の解決に不可欠なノウハウ。カナダなどでも上手に村の智慧を現代に生かした熊との共存社会をつくっているそうだ。 民俗学の視点から私たちは学べることが多くある。2026/01/11
takao
0
ふむ2025/07/27




