病院再生の設計力 2

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病院再生の設計力 2

  • ISBN:9784344930650

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内容説明

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病院淘汰の時代を生き抜くために――

全国250超の病院を手がけてきた設計事務所が語る、
病院の経営改善のために必要な「設計力」とは

現在、日本の病院はかつてないほど厳しい経営を強いられています。医業利益が赤字となっている病院は全体の8割を超え、2024年には病院の倒産件数も過去最多を記録しました。社会保障費の圧縮、人口減少に伴う患者数の減少や医療スタッフの不足といった課題は今後も続く見込みであり、病院は「競争の時代」から「淘汰の時代」に突入したといっても過言ではありません。

こうした状況のなかで、本書の著者である久米設計の病院設計タスクチームは、病院が生き残っていくためには、患者だけでなく医師や看護師などの医療スタッフからも選ばれる存在でなければならないと指摘します。このような選ばれる病院になるために、著者が必要だと考えているのが、本書のテーマである「設計力」です。
ここでいう設計力とは、単なる建築や空間デザインにとどまらず、医療機能の構築、経営的な持続、患者や職員、地域社会のニーズといった、多面的な視点から病院を再生へと導く力を指します。
2010年刊行の『病院再生の設計力』、2017年の『増補改訂版 病院再生の設計力』に続く本書は、近年の急激な環境変化に対応するため、取り上げる事例をすべて更新するなど、内容を全面的に刷新しました。すべて個室で構成された市立病院、免震装置の設置方法を工夫することでコストを抑えた耐震構造の病院のほか、医療と介護を一体化した複合施設や、地域住民に開かれたサービス機能を備えた中核的病院など、設計力で実現した先進的な取り組みが多数紹介されています。

病院淘汰の時代において、いかにして“選ばれる病院”を実現していくのか――その答えを、これまでに全国250以上の病院設計を手がけた実績をもつ著者が具体的な事例とともに提示します。病院経営の舵取りに関わるすべての人にとって、実践的なヒントが得られる一冊です。

目次

はじめに
第Ⅰ部 病院の淘汰がすでに始まっている
生き残りのためのキーワードは「設計力」
第1章 病院経営を取り巻く環境は厳しさを増す一方、
生き残るのは至難の業
7割以上の病院が赤字経営に
医師・看護師の不足
求められる脱炭素対策と建設費高騰
すべてのステークホルダーに配慮した設計が求められている
第2章 生き残るためには「設計力」が必須
─―病院設計で押さえるべき8つのポイント
組織設計事務所内の専門集団としての知見を活かして
? どこに建てるのか ─―敷地の条件を読み込む
移転新築か、現地建替えか
? どんな病院にするのか ─―強みを活かしてコンセプトをまとめる
? 徹底した効率化で支出を抑える ─―黒字経営の見通しを立てる
? 今、病院に何が求められているのか ─―患者のニーズを知る
? 医療従事者が働く場に求めているものは何か ─―働きやすい環境を整備する
? デジタル対応をいかに進めるか ─―急速に進む医療のIT化に備えておく
? 可変性をいかに確保しておくか ─―常に更新していける余地を確保する
? 建設のパートナーをいかに選ぶか ─―さまざまな選択肢と選び方
設計会社をいかに選ぶか
COLUMN① 失敗からの収穫
第Ⅱ部 「設計力」で実現する
再生した病院の具体例
第1章 事業収益の向上、運営のしやすさ……
─―設計力で実現する「安定して運営できる病院」
◎事業性を重視した超効率型病院 ─―高知赤十字病院
◎全室個室化による稼働率の向上 ─―霧島市立医師会医療センター
◎ 既存建物の有効活用による建設コストの削減 ─―立川病院
第2章 居心地の良さ、移動のしやすさ、地域との連携……
─―設計力で実現する「患者が集まる病院」
◎ 分かりやすく、待ち時間も苦にならない病院 ─―千葉大学医学部附属病院
◎ 光あふれる「一本道」に患者利用機能を集約 ─―獨協医科大学日光医療センター
◎ 「治療」から「成育」のための環境づくりへ ─―埼玉県立小児医療センター
◎ こころのケアを必要とするこどものための建築を目指して ─―山梨県子どものこころサポートプラザ
◎ 活力を与える色彩計画を取り入れた回復期・慢性期病院 ─―みなみ野病院
第3章 動きやすさ、看護のしやすさ、業務負担の少ないシステム……
─―設計力で実現する「スタッフが働きやすい病院」
◎ 病室のそばで手厚い看護ができるナースコーナーが
看護師の働きやすさを実現 ─―市立秋田総合病院
◎ 健康プラザを併設、医療従事者も働きたい場所に ─―中部国際医療センター
◎ 地域の新たなシンボルとなり、働きたい場所になる ─―福井厚生病院
◎ 低層3看護単位を活かして充実したメディカルコアを実現 ─―新小山市民病院
第4章 CO2排出抑制、省エネ、コンパクト化……
─―設計力で実現する「地球に優しい病院」
◎ 廃熱利用など「熱の動き」を丁寧にデザインして
圧倒的省エネを実現 ─―帯広厚生病院
◎ 大規模病院建築における日本初のZEB Ready を取得し
年間維持費を大幅に削減 ─―高知赤十字病院
◎ 公園の緑を取り込みながら庇の下の縁側空間を実現し、
治療環境の向上を図る ─―一宮市立市民病院
◎ 県産材の積極的な活用による木の温もりのある建築 ─―茨城県立あすなろの郷
第5章 災害対策、BCP、感染症対策……
─―設計力で実現する「安全な拠点として機能する病院」
◎ 安全から安心へ……災害時にも安心して利用できる
先進の施設を実現 ─―熊本市民病院
◎ 津波や水害に備えたノンダウン病院 ─―JCHO清水さくら病院
◎ 可変性を持たせた感染症対策で、
平時も感染拡大時も柔軟にニーズに応える ─―練馬光が丘病院
第6章 敷地内の野菜直売所、
散策できるビオトープ、緑豊かな自由通路……
─―設計力で実現する「地域と共生する病院」
◎まちの人々に開かれた医療拠点として ─―相模原協同病院
◎ 地域に開かれた精神医療の環境づくり
─―愛知県精神医療センター
◎ 医療・介護・福祉の3機能を一棟に集約した国内最大級の施設
─―東京リハビリテーションセンター世田谷
COLUMN②  全力からの収穫
第Ⅲ部 病院再生のための
信頼できる設計者とは
第1章 設計者の「病院留学」が
課題抽出と改善につながる
膨れ上がるコストをコントロールする
設計力を高めるための「病院留学」
第2章 対話を積み重ねる「設計プロセス」が
よりよい病院を作る
対話を積み重ねる病院設計プロセス
モデルルームで実際の使い勝手を検証
最新のデジタルツールも駆使しながら
インテリアデザインも大きな役割を果たす
環境への配慮から病院の社会的責任を果たす
確かな根拠を集積し、EBDを実践
COLUMN③  全力からの収穫 ─―先輩たちの昔話
おわりに
巻末資料 久米設計の病院設計実績

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