内容説明
激動の中国大陸。
捨て子・トウ雨龍の数奇な運命が拓かれる――。
一度死んだトウ雨龍がふたたびこの現世へ舞い戻ってきたのは、甲辰の年(一九六四年)の十月十八日のことであった――。
舞台は、毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国山東省の吹牛村。捨て子のトウ雨龍は、養父のトウ継漢と養母の李秀媚の庇護のもと、姉の李平や犬の皮蛋(ピータン)とともに平和な少年時代を送る。そんなある日、共産党の青年幹部・田冲が村に赴任し、一家の暮らしにささやかな変化が訪れる。じつは、田冲は、養父のトウ継漢と浅からぬ因縁があり、復讐の機会を虎視眈々と狙っていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
156
東山 彰良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 第二次世界大戦終戦後の激動の時代、中国山東省が舞台の物語、上巻は一気読み、すぐに下巻が読みたいですが、図書館の配本の関係で、来週以降になりそうです。トータルの感想は、下巻読了後に。 https://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-731.html2025/08/09
たま
84
東山彰良さんの毎日新聞連載小説。上下で600ページ、文章は読みやすいが、ファンタジー(六道輪廻図を基とし、生者と死者=鬼が入り乱れる宇宙)なのでそのルールに馴れるのに苦労し時間がかかった。上巻は中国(東北)の農民が日本軍、抗日勢力、国民党、共産党のむき出しの暴力にさらされる悲惨な日々。その中で主人公雨龍と姉・李平や喧嘩友達・羅兄弟のやんちゃ、育ての父母と定慈寺の無空和尚のあたたかさ、忠義犬皮蛋との結びつきが不思議に明るい。で下巻へ。2025/11/03
たいぱぱ
60
「一度死んだ佟雨龍がふたたびこの現世へ舞い戻ってきたのは、甲辰の年の十月十八日のことであった」。毛沢東率いる共産党が国民党を駆逐していく時代の山東省が舞台。冒頭で死ぬことがわかっている佟雨龍の育ての親・佟継漢の子供時代から始まる物語は、幾人もの魅力的なキャラ(犬も含む)と共に暴力的だが人間味のある東山沼に突き落としてくれます。三毒とは貪欲、怒り、愚痴の事を指す仏教用語。三毒がどう絡んでくるのか?冒頭の一文が比喩なのか?それとも現実に起こるのか?ワクワクしながら下巻の沼まで落ちていきます。2025/09/19
ずっきん
58
ああ、至福の時間である。あっという間に上巻を読了してしまった。さて、まだまだ半分残っていると喜ぶべきか、いやいやもう半ばを越えてしまったと嘆くべきか。東山彰良の筆は本当に気持ち良すぎる。物語と登場人物が躍る小説は数多あれど、読み手をも躍らせる書き手がどれほどいようか。いやもう、マジやばい。さあ、下巻へ。2025/09/08
がらくたどん
54
直木賞受賞作『流』でもお馴染み作者得意の大戦末期から文革あたりまでの大陸の寒村が舞台。「三毒」を狩るというタイトルからして現世と冥界・リアルとオカルトが混然となる予感を胸に読み始めやや戸惑う。実に躍動的で軽妙な文章ながら読まされるのは山東省の小作農一家が巻き込まれる国民党と共産党の抗争のリアル。日和見佟家の三男継漢はその実直さと男気で乱世を飄々と生ききるかにみえたが・・。悪意は周到に陥穽を穿つ。その身体を己の怒りに明け渡すな!人に三毒の影を見る拾い児雨龍に受け継がれた精錬愚直な魂はどこに向かう?マジか~♪2025/11/27
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