内容説明
大親分ヤハウェの大活躍と大虐殺、それに対する人類の苦悩と希望。あるいはカリスマ親分イエスと十二人の舎弟をめぐる悲喜劇。旧約・新約各々の聖書に描かれたキリスト教の無慈悲な世界をやくざの物語に見立て、広島弁で語り直す。また、キリスト教は常に西洋美術最大のテーマである。美術は聖書のエピソード(主題)をどのように描いてきたか。聖書、美術の両面からキリスト教の理解を深める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
totuboy
3
「聖書」の世界観を任侠ドラマとして描き、さらに美術の視点からも絵画の解説を加える。今までにない試みで西洋美術の勉強の入門書としても素晴らしい。確かにこうやって表現されると、聖書ってヤクザ映画と合うところがあるのかも。現代の人間からすると不可解な聖書の内容も、そういう世界でならあり得る設定なのかもと思えるところがすごい。2025/09/07
yoshichiha
1
絵画として取り上げられることの多い旧約聖書・新約聖書の有名エピソードを広島やくざ風に綴り直すというユニークな本。難しそうなものを、一風変わったアプローチでクスッと笑える感じにして敷居を下げるの、とても好き。 おそらく、宗教画、特に最初にカラヴァッジョが紹介されているので、そのダイナミックで迫真の雰囲気と、日本の劇画的なヤクザものを結びつけてイメージしたのかな、と想像した。2025/10/31
ikn
0
61分 面白かった 旧約部分の方が破茶滅茶親分に振り回される子分たちのスラップスティックコメディぽくて楽しげ 新約の方は息子の足取りな分記述的ぽく思うし、「*演出です」が増えたのがより旧約の方の素で滅茶苦茶するな……みたいなのも増す2025/10/22
6
0
◯ルネッサンス絵画の三要素「空間表現」「人体理解」「感情表現」、マザッチョ『エデンの園からの追放』 バベルの塔、多言語発生 ヤハウェ(在る):人間は名付けることで何かを他と区別する。一神教ではただひとつの神しかいない前提なので、区別する、つまり他の存在を認めることになる「名付け」という行為は必要ない。だからこそ、神は「主の名をみだりに呼ぶな」と厳命する カラヴァッジョは激情型の気質で、指名手配犯。見つけ次第殺して良い 2025/12/03
Shinjuro Ogino
0
旧約、新約聖書の世界を、日本のやくざの抗争になぞらえ、ひどい言葉が飛び交う物語にしているので、甚だ当惑する。神はヤハウェ大親分で、キリストは当初若頭だ。日本のやくざ言葉で聖書の物語が語られる。計156枚の宗教画がきれいなカラーで掲載され(文庫版なので小さいのが難だがしょうがない)、各福音書の相違点も丁寧に解説されている。面白かった。2025/11/05




