岩波現代文庫<br> 定本 ラバーソウルの弾みかた - ビートルズと僕らの文明

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岩波現代文庫
定本 ラバーソウルの弾みかた - ビートルズと僕らの文明

  • 著者名:佐藤良明【著】
  • 価格 ¥2,002(本体¥1,820)
  • 岩波書店(2025/07発売)
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  • ISBN:9784006004866

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内容説明

人間の心の動きかた,生きるノリ.それはビートルズの出現とともに根本的に変わったのではないか.1960年代のカウンターカルチャーが清教徒革命,産業革命に並ぶ巨大な「精神の変容」を伴ったことを活写した記念碑的著作を全面改稿.2020年代まで射程を広げ,シックスティーズの夢の後先,後期資本主義のエートスを描き直す.

目次

プロローグ,2025
1 ハロー・ポップス,1965
2 ラバーソウルをリロードする
3 主な登場人物と本書の内容
2025年の大改訂について
DISK1
A面 夢とウソのロックンロール
1 「オリーブ少女」のサイケデリック
2 愛こそはすべて?
3 1967年のアナキズム
4 コンテクストが交叉するとき
5 サージェント・ペパーの教え
6 花の部族
7 否定は目に見えない
8 《時》を知る
B面 ヒップの精神と後期資本主義のエートス
1 異なる二者は,どのように同じか
2 関係性の進化
3 資本主義を駆動する心
4 ピューリタンとビバップ革命
5 ヒップスターの起源
6 こころの市場開拓
7 ロードとムービー
DISK2
A面 サイケデリックな渦のなかへ
1 シックスティーズが開きはじめる
2 FURTHER!(もっとトオクへ)
3 近代が崩れていく
4 トマス・ピンチョンの想像力
5 『ラバー・ソウル』が弾み出す
6 iDEATH(小さなわたしの死)
7 金銭からの自由
B面 シックスティーズの引き潮
1 ディランの「いちぬけた」
2 ジャスト・ヨーコ・アンド・ミー
3 ディランvs.レノン
4 僕ら自身によるブローティガン殺し
5 『ライ麦畑』に捕まって
6 パラノイアの凶弾
7 モア・ポピュラー・ザン・ジーザス
8 旋回する時代の中心に立った男
DISK3
A面 重工業人間の終焉
1 『蠅男の恐怖』vs.『ザ・フライ』
2 神の整序と肉の混沌
3 人間=昆虫=機械になる
4 エンジンに跨がって
5 テックとつながる
6 見世物小屋がパレスになった
7 リアルのゆくえ
B面 エロスを走るピューリタン
1 プレスリーとフォークナー
2 ジャニスのオルガズム
3 レット・イット・ブリード
4 ホテル・カリフォルニアへの道筋
5 東京ドームのストーンズ,1990
6 帝国の光と陰
7 ロック世代の解体
DISK4
A面 流体化する自己
1 「ホール・アース」と地べた感覚
2 80年代へのジャンプ
3 バークレイ文学散歩,1982
4 ミニマリズム再考
5 一人称小説の体幹
6 日常性を洗い流す文学
7 《時》の階層
B面 ラバーソウルの霞みかた
1 ビートルズ新曲騒動,1995
2 ナウ・アンド・ゼン(今とあのころ)
3 発散しない時間
4 ことばからホントが消える?
5 経済にとってロックとは何だったか
6 ふりだしに戻る
初出と遍歴――あとがきに代えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

31
その昔ちくま学芸文庫版で読んだ時はもっとノスタルジックというかレトロスペクティブな(悪く言うと懐古趣味がきつい)作品と思えたのだけど、この「定本」は現代のAI時代まで踏まえた前向きな態度を垣間見せて実に好ましい(著者にとって「60年代」を対象化するゆとりが生まれた、ということだろうか)。理論をゴリゴリに押していくというより、まさに現役でビートルズに親しんだ著者自身の思い入れを弾ませてそこから散発的に理論を組み立てていく。だからいい意味で堅苦しい統一感がなくヴァラエティに富んだ、飽きさせない1冊となっている2025/07/02

阿部義彦

25
ロック ビートルズ、ローリング・ストーンズ、イーグルス 、グレートフルデッド 小説 「カッコーの巣の上で」「ライ麦畑でつかまえて」 映画 「イージーライダー」「バニシング・ポイント」人物 ケアルック、ディック、モンク、ジョン・レノン 以上の事に心当たりのある方は楽しめる事請け合います。親本は89年に岩波書店より出た単行本。今回はそれを踏まえて36年の時の流れの変遷も含めて大幅に加筆してここに定本としました。「フリー・アズ ・ア・バード」「ナウ・アンド・ゼン」の話題等を追加!時って何?2025/06/27

タイコウチ

9
1989年刊の元本を読んだのはずっと昔で、その後の改訂版はすっ飛ばして30数年振りに読む「定本」なので、元本がどういう書き振りであったか、それが今回どう変わったかはあまりはっきりしないが、ビートルズに関しては、「Free As A Bird」や「Now And Then」への言及もある。著者が10代から20代を過ごした1960年代から70年代にかけてのポップ・カルチャーのダイナミズムを丸ごと捉えようという試みで、話題は音楽、映画、文学と多岐にわたるが、あくまでも著者の視点からの私的総括という色彩が強い。2025/07/31

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