内容説明
才能のカムバック―― 自分の才能にすら気づいていなかった高校生の大夢(ひろむ)が、真のチェリストになるために、世界に挑戦する! 『あの日の風を描く』で、第16回角川春樹小説賞を選考委員満場一致で受賞。 忽ち重版し、多くのメディアで取り上げられた期待の大型新人、受賞後第一作 心の琴線にふれる感動&スリリングな音楽小説、ここに誕生 高校三年生の雨宮大夢は、介護福祉士になる進路を考えていた。近所に住むクロアチア出身の元世界的なチェリスト、ルカ・デリッチ先生を支えるためだ。身体が不自由なデリッチは、妻の故国日本に隠棲しており、大夢は小学生の頃から、先生の『無伴奏チェロ組曲』に憧れてチェロを習っていた。そんなある日、クロアチアから「ルカ・デリッチ国際コンクール」を新設したいという話が届く―― 異例の音楽コンクールに訳ありの“敗北者”たちが集い、それぞれの想いを懸けて熾烈な戦いを繰り広げる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
71
高校生の雨宮大夢と近所に住むクロアチア出身の元世界的チェリスト、ルカ・デリッチ先生の出会い。難病で身体が不自由な先生を支えるため介護福祉士になる決意をしていた大夢はデリッチ先生に幼い頃からチェロを習っていた。そこに先生の母国クロアチアから「ルカ・デリッチ国際コンクール」を新設したいという知らせが届く。コンクールに挑む大夢、個性的なコンテスタントたち。訳ありの挑戦者たちの熾烈な戦いはとても読み応えあり。前作も良かったが、この本はさらに良い。愛野さん、追いかけたい。2025/09/15
ゆのん
56
親の離婚により心に傷を負った少年と病の為に引退した高名なチェリストが出会いコンクールを目指す物語。目に見えない音楽を文章で表現するのはとても難しい様に思うが本作は情景が浮かぶような描写が散りばめられており、またその描写がとても美しい。コンテスタント達の心情が演奏に反映されている様子がとても良かった。壁を作って生きてきた主人公が音楽や周囲の人達と接していく中で自分を見つめ新たな目標を持つ様になる成長譚でもある。作中に登場する曲を聴きながら何とも優雅で贅沢な読書体験をさせて貰った。2025/03/11
konoha
49
クラシック音楽がテーマの小説や漫画が好きなので、とても面白かった。「蜜蜂と遠雷」「ピアノの森」が好きな人は楽しめると思う。チェロに賭ける若者と周りの人を彩り豊かに描き出す。バレーボールの夢破れた高校生、大夢のチェロの先生はクロアチア人のルカ・デリッチ。クロアチアでルカ主催のコンクールが始まり、ライバルも登場。終盤にかけてドラマが盛り上がる。闇のオーラがある高祖弦は純粋で優しい大夢とは対照的。2人ともルカと師弟関係でありながら思い方が違う。誠実で丁寧な描写でチェロの細部までリアルに表現していた。2026/01/21
もぐもぐ
45
難病で音楽界から姿を消したチェリストの巨匠。彼が日本で密かに育てた青年が師の姿を追いチェリストとして独り立ちしてゆく成長物語。通常この種の話だと、主人公が天才的キャラで圧倒する展開だったりするけど、経済的に余裕がなく別の仕事を目指したり、自らの才能に自信が持てず不安になったり苦悩する姿が現実感あってよかった。ライバルや周りの人たちも同様に。音楽の持つ楽しさが終始前面に出ていたのも好き。 #NetGalleyJP2025/08/25
nyanco
33
世界的に有名なチェリストが病気で引退し日本へ、そこで出会った少年・大夢にチェロを教える。大夢は、チェロを続けたいが経済的理由から、介護福祉士になり、恩師のケアに関わっていこうとしていた。そんな大夢の元にコンクールの知らせが届く。恩師から委ねられた名器は自分にふさわしいのか?様々な想いに揺さぶられながらも大夢はコンクールに挑戦していく。ライバルの登場など、エピソード展開も面白く、グイグイと読まされる。まだ粗削りな部分もありましたが、大夢の成長譚 とても良かったです。 →続 2025/07/17
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