パレスチナを知るための60章

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パレスチナを知るための60章

  • ISBN:9784750343327

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内容説明

1948年のイスラエル建国以降、中東の火種となってきたパレスチナ。70年近くに及ぶ難民キャンプの暮らし、あるいは「分離壁」に代表されるイスラエルの抑圧的な政策の下にあって、なおアイデンティティを求め続けるパレスチナの人々を描く。

目次

はじめに
Ⅰ パレスチナ イメージと実像
第1章 パレスチナとはどこか――アイデンティティの拠り所を考える
第2章 世界に離散するパレスチナ人――繰り返される移動
第3章 パレスチナ人はどんなところに住んでいるのか――難民キャンプから「持ち家」へ
第4章 パレスチナ人は何を食べているのか――オスマン時代から続く伝統的食文化
【コラム1】パレスチナの家庭料理――ひと手間が引き出すおいしさと家庭の誇り
第5章 パレスチナのイエと社会――パレスチナ人のアイデンティティ/39
【コラム2】結婚式
第6章 キリスト教徒として生きる人々――多様な宗教文化
第7章 ドゥルーズ派の人々――イスラエルとアラブのはざまで
【コラム3】「3652年間この地に生きる」サマリア人
第8章 失われた多様性――つくられた「マイノリティ問題」
第9章 ハリウッド映画のパレスチナ人像――捏造される「悪いアラブ」
【コラム4】映画『ミュンヘン』――9・11後のアメリカ社会とパレスチナ問題
第10章 日本人キリスト教徒のパレスチナ・イメージ――パレスチナへの無関心は何によるのか
第11章 『オリエンタリズム』の衝撃――日本でのエドワード・サイード受容
Ⅱ 歴史
第12章 オスマン帝国時代のパレスチナ――蒔かれた紛争の種
第13章 イギリスによる支配――パレスチナ委任統治期
【コラム5】ド・ブンセン委員会――イギリス中東分割政策の青写真
第14章 パレスチナ難民はなぜ生まれたか――忘却されるナクバ
第15章 イスラエルに残ったパレスチナ人――差別・分断と新たな機運
第16章 アラブ・ナショナリズムとパレスチナ・ナショナリズム――シュカイリー初代PLO議長
第17章 パレスチナ解放運動の昂揚――ヤーセル・アラファートとパレスチナ解放機構(PLO)
第18章 アラブ諸国との軋轢――黒い9月とレバノン内戦
第19章 石の蜂起――幻の独立宣言から孤立へ
【コラム6】アメリカン・コロニーの変遷
第20章 オスロ和平プロセス――誕生・展開・挫折
第21章 なぜパレスチナ人はハマースを支持するのか――暫定自治政府の限界
【コラム7】アフマド・ヤースィーン――創設者が描いたハマースの原点と広がり
Ⅲ 生活と文化
第22章 ヘブロンの都市生活――イスラーム的伝統の復興
第23章 オリーブと生きる――土地とのつながり、人々の暮らしの象徴
【コラム8】パレスチナのビール・ワイン
第24章 パレスチナの刺繍――モチーフが映し出すパレスチナ
【コラム9】パレスチナの衣装
第25章 難民女性ガーダ――占領と強権の圧力に抗する
第26章 「同胞の“痛み”を我が“痛み”として生きる」――人権活動家ラジ・スラーニとその活動
第27章 タブーに挑む――パレスチナ人ジャーナリストの挑戦
【コラム10】パレスチナ映画――パレスチナ人の実存の視覚的オルタナティブ
第28章 パレスチナ演劇――「失われた」言葉を取り戻す
【コラム11】パレスチナの踊り「ダブケ」
第29章 パレスチナ文学――ナクバから生まれた言葉の力
【コラム12】言葉の「ナクバ」――ヘブライ語で書くパレスチナ人作家
第30章 ウード弾きたちの挑戦――伝統音楽から新しい地平へ
第31章 ポピュラー音楽――革命歌からラップまで
【コラム13】パレスチナ系アメリカ人のコメディアン
Ⅳ 世界の中のパレスチナ
第32章 国連の難民救済事業――UNRWAの活動
【コラム14】第一次中東戦争に参加した北アフリカ義勇兵
第33章 アメリカのパレスチナ関与――歴代大統領はパレスチナをどう見てきたか
第34章 ソ連・ロシアの対パレスチナ政策――放置されるロシアの飛び地
第35章 パレスチナ国家の承認――紛争解決の模索
第36章 大国エジプトの変節――宗教、帝国主義、民族主義、そして新しい時代へ
【コラム15】ガザ難民――二人の女子学生と出会って
第37章 隣国ヨルダンの歩み――紛争の展開と国家像の模索
第38章 シリア・レバノンのパレスチナ人――安全と未来を求めて
【コラム16】「イスラーム国」とパレスチナ
第39章 大義を掲げる湾岸諸国――アラブの同胞か、他人事か
第40章 聖都エルサレム――占領下の生活空間
第41章 イスラエルとパレスチナの非対称性――国家主体と非国家主体
【コラム17】パレスチナを旅行する
Ⅴ 経済と社会
第42章 パトロン・クライアント関係――近代パレスチナ社会の支配層
第43章 水と土地――権利あるいは空間をめぐる問題
第44章 ヨルダン川西岸の産業――実地調査から見える現状と課題
【コラム18】パレスチナの伝統工芸品
第45章 パレスチナの農業――資源と市場への限られたアクセス
第46章 農村の生活――パレスチナの文化を育む農村の暮らし
第47章 通貨と金融――オスロ合意は何をもたらしたか
第48章 公共部門と公共サービス――あまりに不安定な現実
【コラム19】アンマーンの交通事情と難民
第49章 ワクフ――翻弄されたイスラーム的信託制度
第50章 難民の初等・中等教育――UNRWAの教育と育つ人材
第51章 占領下で学ぶ――大学設立にかけた願いと挑戦
【コラム20】記録し、発信する――パレスチナ研究機構の挑戦
第52章 変遷する障害者福祉――誰も置き去りにしない社会に向けて
【コラム21】分離壁
Ⅵ パレスチナと日本
第53章 対パレスチナ外交――人的交流から資金援助まで
【コラム22】アラファートの日本訪問とIPTIL
第54章 日本に来たパレスチナ人――パレスチナ駐日代表アブドゥルハミードと日本
【コラム23】PLO東京事務所と日本
【コラム24】李香蘭とパレスチナ
【コラム25】「天よ、我に仕事を与えよ」――自己否定と弱者の政治=軍事再考
第55章 日本の経済支援――国際協調と地域安定への試み
第56章 日本の医療支援――パレスチナに根づいた支援
第57章 市民社会による支援――1万キロを越えての連帯とその課題
第58章 イスラエル・ボイコット運動――パレスチナにおける「アパルトヘイト」廃絶への挑戦
第59章 フェアトレード――生活の糧としての伝統工芸
第60章 日本のジャーナリズムとパレスチナ――エルサレム特派員が見たオスロ合意
【コラム26】戦前・戦中の日本とパレスチナ
パレスチナを知るための文献・情報ガイド

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

21
美しい風景や料理、人々の日常を切り取った写真がたくさん収録されているので、無事でいてくれ…と全ての写真に祈ってしまい、お腹が痛くなってくる本である。パエリアみたいに焼き付けてひっくり返して食べる「マクルゥベ」とかさ、そういう美味しい料理の話だけしていたい。いやしかし井戸を掘るにもイスラエルの許可がいるとかさ~、地下通路になる恐れがあるからでしょうけども、なんとかならんのか…。イスラエルを知るための章と併せて読んだわけですけども、著者同士でキャットファイト繰り広げた本が読みたいとは思ってしまった。2023/11/05

井上裕紀男

20
オリーブの木を育て、油や石鹼を作り、コナーフェ(菓子)を食べる。素敵な刺繡もある。そこにある暮らしは昔から変わらない。何故かペリシテ人は迫害を受け続けている。 UNWRAの支援を受け、難民キャンプで子どもたちは教育を受け、世界平均より高い力をつけている。なけなしの蓄財を出してでも教育が希望の光、皆必死で生きている。 波はあるけれども、日本はパレスチナ支援を続けており、世界でもトップ10に入る。 戦争と民族差別は、言いがかりをつけて人を苦しめる。金と資源を命よりも優先させる人達がいる限り。2021/05/15

makimakimasa

13
基本的な事しか書いてないだろうと、このシリーズを舐めていたら、マニアックな情報の多い、かなり濃度の高い本だった。歴史や政治経済のみならず、生活文化や社会、周辺諸国や日本との関わりなど、内容は多岐に渡る。半年前の戦闘勃発以降、よくNHKで活躍されている鈴木さん始め、学生時代に面識のあった人達が、ベテランと若手の融合した執筆陣に何人もいて、個人的に面白く読んだ。当時自分も訪れた事のあるヘブロンについて1章割かれており、旧市街がゴーストタウン化していた事情が理解出来た。李香蘭が日パ議連設立も全く知らなかった。2024/04/23

salvia

5
パレスチナ問題というと必ず出てくる「オスロ合意の欠陥」。水資源を含めた土地問題、分断壁・検問所設置による生活や経済活動へのダメージ… イスラエルは本当に悪知恵が働くというのが読後先ずの感想。劣悪な環境でもパレスチナ人は教育に希望を託し、難民の子供たちはTIMMSで平均よりも高いレベルだそうだ。イスラエルとUAEの国交樹立のニュースが出たばかりの今、様々な立場から書かれたこの本によって、少しでも多く知ることが出来てよかったと思う。2020/09/20

Tom

4
2016年刊。明石書店のエリア・スタディーズシリーズを読むのはこれが初めて。本書は分野別に60章、さらにコラムが26あり、多くの書き手の寄稿によって成っている。年が明けてもなお続くガザの「虐殺」はいつ終わるのか。日本のアホのネトウヨは「はますがさきにこうげきしたんだー(^q^)」の一点張りであるが、奴らには2023年10月7日より前の歴史は存在しないらしい。聖書の舞台にもなっているパレスチナの地には膨大な歴史があるが、現代に繋がる決定的なポイントはやはり1948年のイスラエル建国であろう。→2024/01/19

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