内容説明
小樽で暮らす高2女子の映(はゆる)は、訳あって四姉妹でミニシアターを営んでいる。そんな初夏のある日、シアターを手伝う映が出会ったのは、いつも同じ作品を観にくる不思議な青年・海里だった。映画好きの共通点がきっかけで親しくなり、蒸気時計や青の洞窟などの名所を一緒にめぐる二人。しかし実は海里には、本人さえ知らない衝撃の秘密があって……。ガラスペンのように青くて脆い、忘れられない恋の物語。
目次
プロローグ
第一章 日常は映写機のように進む
第二章 映画がはじまって、君が振り向く
第三章 ガラスのように透明で、夏空みたいに青い
第四章 雨と虹とスクリーン
第五章 夏の港町で、また君と映画を観られたら
エンドロール
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
小樽で暮らし、訳あって4姉妹で実家のミニシアターを営む高校2年生の映。初夏のある日、いつも同じ作品を観にくる不思議な男の子・海里と出会う青春小説。父が映画監督で留守になりがちな家庭環境に育った映。海里が映画鑑賞中に体調不良になったのをきっかけに、合間に少し会話をするだけだった関係から、映画好きの共通点もあって、蒸気時計や青の洞窟といった小樽の名所を一緒に巡る中で仲良くなっていく展開で、そこからお互いの背景も明らかになっていく中、記憶を思い出した海里が過去に向き合い乗り越えるその結末はなかなか良かったです。2025/08/04
栗山いなり
7
高校二年生の映と不思議な青年・海里の交流と恋模様を描いた物語。映画が物語に結構絡んでくる清々しい感じのする青春恋愛小説だった。真新しさはあんまり無かったかもしれんけどこういうのもたまには良いよねと思える作品2025/08/03
なにがし
0
とっても透き通った物語。美しい小樽の街を舞台に出会った映と海里。ミニシアターを通じて『タイトルで会話をする』だけだったふたりの距離が少しずつ縮んでいく様子が微笑ましく、ふたりで小樽の街を巡る様子が素敵。終始優しく、そしてオルゴールの音色に包まれたような作品だった。映画好きにはたまらない魅力もたくさん詰まっていた。それぞれのキャラクターに物語があり、それが自然と日常生活として描かれていて好き。あちこちにきらきらとしたワードが散りばめられていて、言葉選びに惹かれた。結末を知った上で改めて読み返してみたい。2025/07/19
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