下山の哲学 - 登るために下る

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下山の哲学 - 登るために下る

  • ISBN:9784811808437

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内容説明

竹内洋岳最新刊にして、山岳書初(!)の「下山」ドキュメント

ヒマラヤ8000m峰14座完全登頂とは、14の山すべての頂から無事に下ってくるということ。「生きて還ってこなければ、下山しなければ、登山ではない」とつねづね語り、それを実現してきた竹内は、どのように山を下ってきたのか。疲労困憊のなかで頻発する危機、生死を分けた判断と行動、朦朧とする頭で考えていたこと……。敗退もふくめて、17年にわたる14座の全下山をたどり、現在に続く新たな挑戦を報告する。

世界的クライマー、ラルフ・ドゥイモビッツほか、本人を深く知る6人へのインタビューをとおして竹内洋岳を「解剖」するコラムも収録。

目次

I▼「役割」(大規模登山隊)から「愉しみ」(少数精鋭チーム)へ
1995年 マカルー[1座目] 8000m峰初下山
1996年 エベレスト[2座目] デスゾーンからの逃避
1996年 K2[3座目] ベースキャンプへの「登頂」
2001年 ナンガパルバット[4座目] 切りひらいていく下山

II▼クライマックスとしての下山
2003年 カンチェンジュンガ[敗退] ホワイトアウトのなかを
2004年 アンナプルナ[5座目] 二度と行きたくない山
2004年 ガッシャーブルムI峰[6座目] 身近にある死
2005年 シシャパンマ[7座目] ぐるり1周旅の締めくくり

III▼生還するために
2005年 エベレスト[敗退] 死後の帰還
2006年 カンチェンジュンガ[8座目] 見失った帰路
2007年 マナスル[9座目] 灼熱のラッセル地獄
2007年 ガッシャーブルムII峰[敗退] 雪崩に飲みこまれて

IV▼ヒマラヤへの復活
2008年 ガッシャーブルムII峰[10座目] つぎの山への登り
2008年 ブロードピーク[11座目] 激痛と落石の恐怖
2009年 ローツェ[12座目] もっともつらい下り

V▼14サミット完全下山
2010年 チョ・オユー[敗退] 新たなパートナーと
2011年 チョ・オユー[13座目] 幻覚のなかの軌道修正
2012年 ダウラギリ[14座目] 極限の夜を超えて

つぎの山へ――14サミッターの現在地

▼インタビュー
「登山家の突然変異」――シューフィッター 釣巻健太郎の視点
「妥協なき道具マニア」――登山用腕時計開発者 牛山和人の視点
「強くて繊細なlovely person」――14サミッター ラルフ・ドゥイモビッツの視点
「スマートな野心家」――医師 柳下和慶の視点
「つかまえちゃダメな人」――山岳気象予報士 猪熊隆之の視点
「つねに帰り道を知っている人」――山岳カメラマン 中島健郎の視点

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

122
14サミッターとなった著者の栄光の裏側、「下山」を焦点に当てる。登頂から始まる語りを主軸に、経緯や平易な注釈、関係者インタビューなど様々な角度から彼に迫る川口の編集も特筆点。彼にとって登山は「人を結びつける力」であり、「みんなといっしょ」にやることなのだ。K2は楽しく下れたのにエベレストやチョ・オユーで思わぬ苦戦を強いられたりと、体調悪化と天候変動の前では難易度も意味をなさない。ローツェやチョ・オユーで引き返す冷静な判断は、彼の並ならぬ「強さ」が現れている。どんな登頂も下山も次の「未踏」が待ち構えている。2022/02/19

breguet4194q

100
日本が誇る二人のクライマーが滑落死したニュースを見て一読。登頂したかどうかばかりクローズアップされるが、無事に下山することがいかに大切かフォーカスしてます。登頂後、麓のベースキャンプに戻って来れて、初めて「登頂した」と言う著者の考えに賛同します。山での事故の半分以上が下山中に起こることを考えると、14座全ての8000m級の緊迫感が文中から垣間見え、下山の難しさがよくわかります。登山家なのに文筆家の著者を尊敬します。2025/04/12

あやの

62
8000㍍峰14サミッターの竹内氏。山を「下る」ことに焦点を当てたルポのようなエッセイのような作品。頂上に行くまでばかりが注目されるが、かなりの数の遭難は下山中に起きると聞く。竹内氏も下山中に道に迷ったり高山病に苦しんだり、生きているのが不思議なくらいのアクシデントに遭遇している。そんな中でも、ただ者ではないと思えるのが雪崩に巻き込まれて九死に一生の目に遭いながら、翌年にはまたリベンジしているということ。さらに、一つの山を制覇するとそのまま次の山に行って登ること。まさに「登るために下る」。凄まじいパワー。2022/03/25

けぴ

39
酒井順子さんのオススメ本。日本人初の8000メートル以上の14座登頂を果たした著書の登山に対する姿勢を語った本。登頂がゴールと思われがちであるが無事に下山してこそ登頂成功と捉える哲学が篤い。本書を読むと沢山の登山家が14座登頂の過程で亡くなっている。決断力の磨き方という点でも印象的な一冊でした。2023/04/16

detu

30
少し思ってたものとは違った。哲学ってほどの内容でも。ヒマラヤ山行録という方があってる。確かに凄まじいです8000mってのは。後書きで「登山のテレビ番組は登頂までしかやらない、下山までが登山だ」と。ここは大共感。2021/02/27

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