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内容説明
美術館に行きたいけど行けていないあなたへ。忙しいあなたにこそ、至福の余白時間を美術館で過ごすことが人生に必要なのです。美術館を出た後、世界が違って見えるはずです。時間がなくても、知識がなくても、大丈夫。とある現役学芸員が、美術館での過ごし方のキモとコツを、最新の美術館事情とともにガイドします。「語れる」ための鑑賞の心得も、レクチャーしますよ。さあ、スマホから顔を上げて、出かけましょう。
目次
はじめに 美術館に行きたいけどなぜか行けないあなたへ/あなたが最後に美術館に行ったのはいつですか?/本書の構成/第1章 タイパの真逆にある美術館/1 「時間はあるのに行けない」はなぜ/あなたが美術館に行けない理由は本当に時間が無いから?/余暇時間は増加傾向なのに/時間があっても美術館に行かない・行けない/二極化する来館者/子育て世代と美術館のニーズは一致している/「透明化」してしまった現役世代/2 「美術=ビジネスマンに必須の教養」ブーム/「美術は役に立つ」系書籍の流行/ロジカル・シンキングの次のアート・シンキング/「すぐ分かる」系書籍で埋まる書店棚/3 コスパ・タイパの呪縛/何もしていない時間は居心地が悪い/「可処分時間」が追い立てる/タイパの真逆にある美術館/「役に立つ・立たない」の天秤/似て非なる映画鑑賞と美術鑑賞/自発的な行動、してますか?/4 余裕のある時代は美術、余裕のない時代は技術/美術が技術だった幕末、明治/一般庶民まで美術を楽しむ余裕があった江戸時代/現代日本はどちらのフェーズか/5 普段から美術館に行く人はどこが違う?/学芸員は案外動機が分かっていない/第2章 美術鑑賞の変遷/1 最近10年でヒットした展覧会を振り返る/10年間のヒット展覧会ランキング/コロナ禍ビフォーアフター/ヒット展覧会の共通項を分析してみよう/レアなものはやっぱり見たい!──「正倉院展」/消えない海外への憧れ──「オルセー」「ルーヴル」「モネ」……/定番コンテンツという王道の安定感──印象派、琳派、国宝……/大ヒットしない展覧会にも意味がある?/2 展覧会の歴史 ヨーロッパから日本へ/特権階級にのみ許されていた芸術鑑賞/展覧会の誕生はアーティストの誕生/日本初の美術館と展覧会/日本に根付いていく展覧会制度/3 日本の展覧会の黄金時代/高度経済成長期の3大ヒット展/80年代からの「美術の大衆化・日常化」/マスメディア主導のブロックバスター展/デパート展、華やかなりし頃/第3章 美術館の新たな取り組み/1 SNSによって変わる美術館の常識/SNSを有効活用した展覧会の広報/SNSも一発逆転で集客できる魔法のツールではない/シェアを前提とした写真撮影の普及/展示作品の著作権をいかに守るか/著作権法もマイナーチェンジ/撮影許可がはらむ危険性/2 美術館のデジタルシフト/オンライン鑑賞の功罪/鑑賞を一つの体験として考える/没入型展覧会の増加/3 クラウドファンディングをする美術館の苦境/相次ぐ美術館・博物館のクラウドファンディング/クラファンで全て解決、とはいかないけれど/4 四苦八苦のインバウンド対応/文化庁が推し進める美術の観光資源化/どこまで対応する? 美術館の多言語化/第4章 SNS時代の美術館 鑑賞する側が主役になる/1 基本的な鑑賞の心得/企画展とコレクション展の違い/展覧会の探し方──スマホ、雑誌、チラシ/事前準備は必要?/必携の持ち物、あると便利なもの/展覧会は一人で行く? 誰かと行く?/美術鑑賞を最大限楽しむ秘訣/2 主体的な鑑賞をするための秘訣はアウトプット/アウトプットはあなたの体験を経験に変える/発信することで奇跡が起きるかも/どのプラットフォームを使う? どうせならバズりたい!/3 鑑賞メモの力を今こそ伝えたい/メモは最強の鑑賞補助ツール/鑑賞メモはかっこつけず何でも書くべし/あなたもメモ帳沼にハマりませんか?/4 「美術を語れる人」になるためには/学芸員が美術を語れる理由/イメージと言葉のストックを積み上げる/美術を語るための実践ワーク/第5章 結局、美術館に行く意味って何?/1 現代病の処方箋としての美術館/全部に意味がなきゃダメなの?/不要不急の筆頭とされた美術館だけれども/タイパの呪縛からの解放/時間は伸び縮みする/2 美術鑑賞とマインドフルネス/あなたの脳、キャッシュが溜まっていませんか?/忙しい毎日に余白を作る/心を止め、心を観る/美術館を出た後、あなたは世界が違って見える/3 フォースプレイスとしての美術館/人それぞれのサードプレイス/美術館はサードプレイスになり得るか/フォースプレイスとしての美術館という可能性/おわりに 今度の週末、美術館に行こうと決めたあなたへ/参考図書案内
感想・レビュー
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ひと
きのこ
源シタゴウ
お抹茶
てくてく