新潮クレスト・ブックス<br> 悲しき虎

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新潮クレスト・ブックス
悲しき虎

  • 著者名:ネージュ・シンノ【著】/飛幡祐規【訳】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 新潮社(2025/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 660pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784105902025

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内容説明

少女時代、継父にレイプされていた著者が、母親となった今、自身の体験とその傷がもたらす影響、加害者、世界中に存在する悪について、渾身の分析をする。表層的な共感を拒みながら、深い連帯を表現して感動をよび、本国フランスで「フェミナ賞」「高校生が選ぶゴンクール賞」などを受賞し、30言語で翻訳刊行予定の話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

55
日本でも、父親に性的虐待を受けていた方の裁判が話題になりました。著者は、継父からの性的虐待を受けた経験があります。この著書は、単なる記録ではありません。著者の冷静な文章は、読者である私たちに大きな影響を与えます。それは雷のような衝撃です。冒頭で「一番興味深く思えるのは、加害者の頭の中で何が起きているのか、なのだ」 と語っている、これが全てなのだと思う。感情を抑えている分、より深く染みてくる一冊でした。2025/11/27

アリーマ

19
著者が義父に性的虐待を受けていた、その記憶の覚書。基本実話で、相当に痛ましい話もあるが、感情を抑えて客観的な記述ではある。様々な記憶の断片を言語化していく試みに見える。これを世に出して、かつ読者をきちんと獲得した、フランス出版界の知性は大変なものだな、と感じた。面白い面白くないを問うタイプの作品ではないので、多少なりとも楽しむ要素を求めるなら読まない方がいいと思う。なんとか読み切ったが、かなり辛くはあった。★★★⭐︎2025/11/23

信兵衛

19
性的虐待は、決して一部の特異なケースだけの犯罪ではない、広く社会に蔓延っている犯罪である、そしてその被害者からの訴えを受け止め、保護する存在が必要である、ということを広く訴える、ということに本作の主眼があると感じます。 今の時代でも、自らが行った性的虐待に、同意があった等々、いろいろな言い訳をして罪悪感を持たずにいる人間は多いことでしょう。 だからこそ本作の意味がある、と言えます。 是非、お薦め。2025/10/04

フランソワーズ

17
幼い頃に継父から続けられた性的虐待。一生かかっても”なかったことにはできない”傷を負って生きてきた著者。妹、弟が同じ被害者にならないように、彼を告訴し、さらに本書を上梓した。彼女の痛み、悲しみ、怒りはレイプだけにとどまらず、人はなぜそんな残忍なことができるのか等の考察を行う。高い知性の持ち主である著者は多くの本を引き合いに出して、さまざまな角度から深く照射する。アニー・エルノーが言うように、「誰もが、とりわけ思春期の人は読むべき」だ。2025/10/20

Apollo

9
子ども時代に継父から受けた性的虐待について、彼を訴えた訴訟も含めて深く考察している。文字で表現すること、語ること。彼女が与えてくれた言葉によって、私たちは連帯できる。2025/10/17

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