内容説明
「生きることはわかったような気がするんだけど、死ぬっていうのはどういう感じなのかな」
谷川俊太郎さんは、亡くなる2週間前まで語ってくれました。
「いきる」「はなす」「あいする」「きく」「つながる」「しぬ」とは?
詩人が語った111の言葉を、書き残した44の作品と一緒に構成する「ことば+詩集」です。
ぽつりとおかしく、ぽつりと鋭い、谷川さんが置いていった言葉たち。
92歳でこの世を去るまで、新しい作品を生み出し続けた谷川さん。
「答えのない人生」を生きた谷川俊太郎さんの宇宙が見えてきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
68
【今は、生きている意味もなくていいと思える】「次元の高い抽象的な言葉じゃなくて、日常に即した言葉で、現代詩を成立させた」と語った詩人の言葉と詩を収録した本。『朝日新聞』掲載の詩などに加筆。巻末に収録作品一覧。<現代詩の捉え方が狭いという思いは、書き始めた頃からあったんですよね。詩の雑誌に載ってる現代詩だけが詩ではないと思ってた。歌謡曲の詞の中にももちろん詩があるんだし、世間一般に認知されているよりも、広く詩を捉えてたところがありますよね>と。で、<厳密に詩とは何かってことを考えなくてもいいんだ>とも――⇒2025/09/13
けんとまん1007
66
敬愛するお一人、谷川俊太郎さん。その詩は言うに及ばず、その言葉自体が、一遍の詩のようでもあり、身に沁みる。谷川俊太郎さんは、自分自身を媒体として、宇宙の在り様を言葉として表現していたのではないかと思う。いつまでも、満足することなく、絶えず、先を見つめる眼が凄い。改めて、タイトルの「行先は未定です」の意味を考える。果たして、今の自分はどうなんだろう?と。谷川俊太郎さんの行先は、そんじょそこらではなく、遥か彼方なんだろう。2025/09/06
Kooheysan
10
言葉について、詩について、生きることについて、老いることについて、そして、死について。谷川さんの言葉たちに触れることができます。自分が好きな詩もたくさん収録されていて、お気に入りの1冊がまた増えました。「自分を変えるためにはやっぱり真面目に人生を送っていくっていうことしかないんじゃないかな」2025/07/07
チェアー
9
読んでいて、詩を書きたくなる本だ。 詩は生きることの隣にある。だれでも詩は書ける。書かねばならぬ。書いてもいい。 言葉と人の不思議な関係を詩はとりもってくれる。 そのことを詩人は教えてくれる。 2025/08/21
ひびキング
8
先日、谷川俊太郎展へも行ったのだがそちらは絵本が中心。絵本の詩も載ってはいるが少し趣は異なるよう。格好よく体裁を整えた、というのではなく自然に溢れ出たままといった印象の言葉が沢山。お若い頃は生きること、恋すること。最晩年はいのちのこと。人生を終えるヒントのようなものがここにはある。今日は合唱コンクールで谷川さんの言葉を沢山聴きました。2025/08/31