- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
戦時下、いじめは大量生産されていた。
全裸での身体検査、牢獄のごとき学童疎開、自殺率世界一位の日本軍……
「女子と女子を向かい合わせて、往復ビンタを食らわせた」
「犬の鳴き声を出して班内を回るのだ」
「何が戦死なものか。彼は殴り殺されたのです」
最新のいじめ研究があぶりだす、戦時下の暴力と現代日本の課題。
数多くの証言と時代背景を整理し、陰惨さの実相に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
28
いじめを入り口とした戦争社会の分析本。学校、疎開、銃後(隣組)、軍隊生活など、9つの章から構成。暴力的で陰湿で、逃げようのないいじめは昔からあった。むしろいじめへの問題意識もない戦時中は、現代以上にいじめが横行していたことが分かる。ミクロの世界から戦争を説明しつつ、極限の状態でのいじめを見つめることで社会の癖を見つけ出し、現代のいじめ問題の解決への糸口がないかと模索している印象も受けた。膨大な資料にあたり出典を明らかにした上で、類似の証言のある事例のみ引用している姿勢も信頼がおける。まぁまぁ消耗する1冊。2026/04/12
どら猫さとっち
18
いじめ、パワハラ、ブラック企業…。その根源は、戦争にあったのか。疎開先で、軍隊で、戦時下の市井で、植民地で、抑留で、戦後もなお、言動の暴力で苦しめてきた日本。そのありのままの戦争体験を集めて、現在に問う衝撃の書。やめられず一気に読んだが、頭がくらくらし、鬱でトラウマになる錯覚。見たくない戦争のリアルで覚えた感情や感想を生涯忘れたくない。新しい戦前といわれるが、尚もまたこの地獄を、政府は世間は無辜の人たちに味わす気か。2025/08/12
ののまる
11
戦闘より軍隊に入ってからの上官からのイジメが耐えがたかった、という体験談はよく聞く。疎開先の子ども、隣組、いろんなところでのイジメ。いまの自衛隊や体育会系、職場、学校でも見られる体罰とイジメ。2025/07/27
hitotak
10
先の戦争中に、戦場や銃後で起った様々な「いじめ」について、当時の体験談を引用しつつ解説を加えた一冊。学校での軍事教練、疎開先、隣組、植民地など、戦時下のあらゆる場所でいじめは起こり、その体験談はどれも生々しい迫力があり、過酷で理不尽だ。精神医や専門家による、戦時下でいじめが発生するメカニズムが所々で引用されている。閉鎖的な空間で自由がなく、抑圧的な思想を押し付けられて先の見通しが立たない場所であれば、戦時ばかりでなく現代社会であってもいじめは発生する。誰もが当事者となる、逃れられない恐怖を感じた。2026/06/07
げんざえもん
7
この本に書かれているような話を、幼少期に祖父や祖母、両親から体験談として聞かされてきたので、驚きはありませんでした。しかし、過去の美化と歴史改ざんが横行する昨今、この本が出版された意味は大きいと思います。そのうち、このような「偏向本」「敵性本」は出版出来なくなるかもしれないので…。「はだしのゲン」の様に、お蔵入りにならないことを願っています。 2025/12/09




