内容説明
戦時下、いじめは大量生産されていた。
全裸での身体検査、牢獄のごとき学童疎開、自殺率世界一位の日本軍……
「女子と女子を向かい合わせて、往復ビンタを食らわせた」
「犬の鳴き声を出して班内を回るのだ」
「何が戦死なものか。彼は殴り殺されたのです」
最新のいじめ研究があぶりだす、戦時下の暴力と現代日本の課題。
数多くの証言と時代背景を整理し、陰惨さの実相に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
17
いじめ、パワハラ、ブラック企業…。その根源は、戦争にあったのか。疎開先で、軍隊で、戦時下の市井で、植民地で、抑留で、戦後もなお、言動の暴力で苦しめてきた日本。そのありのままの戦争体験を集めて、現在に問う衝撃の書。やめられず一気に読んだが、頭がくらくらし、鬱でトラウマになる錯覚。見たくない戦争のリアルで覚えた感情や感想を生涯忘れたくない。新しい戦前といわれるが、尚もまたこの地獄を、政府は世間は無辜の人たちに味わす気か。2025/08/12
ののまる
10
戦闘より軍隊に入ってからの上官からのイジメが耐えがたかった、という体験談はよく聞く。疎開先の子ども、隣組、いろんなところでのイジメ。いまの自衛隊や体育会系、職場、学校でも見られる体罰とイジメ。2025/07/27
門哉 彗遙
7
❶毎日新聞の栗原俊雄さんと荻上チキさんとの共著の本書。大日本帝国時代のいじめについて書かれている。学校、疎開、銃後生活-婦人会・隣組、徴兵、軍隊生活、勤労動員、植民地差別と引き揚げ、抑留、戦後という章立てだ。何よりもいじめが一番酷いのは言わずもがな軍隊生活であるが、読みながら自分の子供時代を思い出していた。2025/09/11
えだまめ
6
「いじめ」を切り口に、戦時中のオーラルヒストリーを中心にまとめた本。戦争に限らず、人間社会に普遍的に起こる構造的な問題もあったり、戦時中の環境がそれを加速させたり。長らく戦争を中心とした筆者が重ねた取材の横串として、「いじめ」というまとめ方がしっくり来たそうだ。先の大戦には多くの人の苦しみと、ネガティブな人間集団の性質が先鋭化していた。2025/07/22
Aby
3
戦時下の「いじめ」は軍隊だけでなく,社会全体を覆いつくしていた.戦争が終わっても継続している.この時期の「いじめ」を受けた人が高度経済成長期に学校の先生をやっていたからな(体験談).そして今日に至る.2025/09/14
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