内容説明
政治的な分断が進展した現在の国際社会で、国境を自由に越える感染症に、世界はどのように備えていくべきか。安全保障という側面において、日本はどのような役割を果たせるのか。必ずやってくる「次」に向けて行われている様々な取り組み、その意義と目指すべき方向を論じた一冊。
目次
まえがき
1.世界を襲った未曾有の緊急事態
2.何が緊急事態を長引かせたのか?
3.感染症の管理と地政学
4.研究の動向
5.多国間主義の変容
6.本書の概要
第一章 保健分野の多国間枠組みの変遷と行方
1.感染症対応の国際規則の歴史的変遷
2.国際環境の変容と既存の枠組みの限界
3.新型コロナパンデミックによって明らかとなった問題点
4.地政学的動向と連動する改革動向
5.保健をめぐる多国間主義の行方
第二章 新型コロナワクチンのアクセス格差をめぐる問題
1.ワクチンへのアクセス格差はなぜ起きるのか?
2.新型コロナワクチンの開発と供給
3.ワクチンの公平アクセスに向けた国際的取り組みとその限界
4.ワクチン問題と国際関係
第三章 地域内保健協力の可能性と課題
1.地域内保健協力の歴史的系譜
2.戦後の地域内保健協力
3.ポスト・パンデミックにおける地域内保健協力の可能性
4.アジアにおける地域内保健協力
5.地域内保健協力の可能性と課題
第四章 重層化するヘルス・ガバナンスとイノベーションの可能性
1.グローバル・ヘルス・ガバナンスにおけるイノベーション
2.WHOアカデミー
3.グローバル・バイオ製造訓練ハブ(GHT-B)
4.パンデミックと疫学情報のためのWHOハブ
5.グローバル・ヘルスにおけるイノベーションの行方
第五章 日本とグローバル・ヘルス・ガバナンス――歴史的経緯と今後の可能性
1.戦前日本と保健協力
2.戦後の日本とグローバル・ヘルスの関わり
3.日本の公衆衛生行政へのインパクト
4.近年の日本の保健外交
5.パンデミック下での日本の関与
6.日本の役割とその展望
7.日本の関与、その国際政治的な意義
あとがき
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パトラッシュ
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