創元日本SF叢書<br> 風になるにはまだ

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創元日本SF叢書
風になるにはまだ

  • 著者名:笹原千波【著】
  • 価格 ¥1,999(本体¥1,818)
  • 東京創元社(2025/08発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488021061

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内容説明

散りたくない。無形の情報に還(かえ)るにはまだ、わたしというものへの未練が濃い。病気や障害などの事情で生身の体で生きることが難しくなった人々が、〈情報人格〉として仮想世界で暮らせるようになった近未来。情報人格の小春は、大学時代の同級生が集うパーティに出席するために「一日だけ体を貸し出してくれる」サービスを利用する。体を貸してくれたのは年の離れた大学生だった。ひとつの体を共有して、ふたりは特別な一日を過ごす。第13回創元SF短編賞受賞作を含む瑞々しいデビュー作品集。/【目次】風になるにはまだ/手のなかに花なんて/限りある夜だとしても/その自由な瞳で/本当は空に住むことさえ/君の名残の訪れを

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

128
生前の人格や技術を保持したまま肉体を捨てて精神を分離し、仮想世界で生きる<情報人格>になれる技術とは『火の鳥』のロビタに通じる世界か。障害や病気で苦しまずにすむが実質的な死もあり、人としての五感の大部分を失った形で存在せねばならない。生者の体を借りて現世を味わうのが可能でも、技術だけが進む世で人として生きる意味があるのか。静謐で美しい物語だが、生とは何か死とは何かを痛切に問いかける。仮想空間内での仕事による収入や納税、選挙権に婚姻、反対派によるテロなどの問題を加えれば社会派的なドラマになったかもしれない。2025/09/30

さちこ

46
情報人格として、ひとの体を借りた話2025/09/24

rosetta

28
★★★★☆第13回創元SF短編賞のタイトル作からの連作短編集。本来、不治の病や耐え難い苦しみから逃れるための手段だった、自己のデータ化によるバーチャル世界での人格のコピー。いつしか基準も甘くなり成人が希望すれば適えられるようになっていた。データ化によって永遠に生きられるかと思われたがどこかの時点で解された単なるデータの集まりになり、風として消えていく。そんな世界で悩んだり改めて生きる喜びを味わったり。しかし自分はエゴはこの肉体にしか宿らないからデータ化された自分が残ったとしてもそれは別の存在だと思う2025/10/06

りらこ

25
仮想世界を書いた本をあまり読んだことがなかったので、なじむまでにちょっと時間がかかりつつ。でもスマホや画面の向こうの世界を「ある」と認識して生きているわけで、そちら側に情報人格として行くというのも「あり」なんだろう。肉体を持たない選択は、人それぞれの理由で。若いと可哀そうがられるとか、それでもいつか散逸してしまうのだとか、人間の感情と、設定がうまく絡み合っている。肉体との決別というのと、自分のなりたい姿で生きられるというのは魅力かもしれない。ならない選択を書いた章も良かった。2025/09/19

本の蟲

18
情報人格として仮想世界に移り住む「データ移民」が実現された世界の短編集。とはいえ不死になれるのではなく、人格データが散ってしまう〝散逸”と呼ばれる寿命が存在する。病や痛みから解放されるメリット。演算されているとはいえ、現実には及ばない光、手触り、重さや他者との触れあいがなくなるデメリット。散逸を防ぐため現実同様の暮らしが推奨されるが、本来計算可能なら「なんでもできる」仮想世界の自由や可能性を狭めているジレンマ。世界の命運ではなく、個々人の選択と疑問を描いている非常に好みのSF2025/10/09

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