内容説明
SFの叙情詩人ブラッドベリが、若い読者に向けて自ら選んだ傑作集。「この本は、イリノイ州の小さな町で育ち、宇宙時代の到来を──そうなってほしいと願い、そうなることを夢見たとおりに──生きて目にした男の子の手になるものなのだ。これらの物語をすべての男の子たちに捧げる」(はしがきより)。宇宙船乗りに選抜されることを夢見る15歳の少年の日々を描いた高名な表題短編を巻頭に、代表作「霧笛」「太陽の金色のりんご」「霜と炎」などの17編を収録した。/【目次】ウは宇宙船のウ/初めの終わり/霧笛/宇宙船/宇宙船乗組員/太陽の金色のりんご/雷の音/長雨/亡命者たち/此の地に虎あり/いちご色の窓/ドラゴン/贈りもの/霜と炎/アイナーおじさん/タイム・マシン/駆けまわる夏の足音/解説=牧眞司
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
75
この季節の課題図書ブラッドベリ。今年は新訳が出たこの短編集を再読。ホラー要素控え目、冒険者たちへリスペクトが溢れてる印象。今回は8日間の一生を生ききろうとする人々の濃密な物語、「霜と炎」が刺さる。それは私自身が「残り時間」を意識し始めたからだろうか。表題作の少年の宇宙(そら)へのまっすぐな憧れも、締めくくりの一篇の夏を迎えた少年の溢れ出す喜びも、ただただまぶしい。でも、見送る者のやるせなさや帰らぬ日への想いが重なる時、物語は深みを増す。郷愁という言葉では片づけたくない、そんな感覚。これこそブラッドベリ。2025/11/05
ヒデキ
29
有名な短編集なのに今まで読んでなかった作品 ブラッドベリの文章は、最初のとっかかりに毎回くろうするが、詩の文章を読んでいるようで もっと言えば英語が読めないことを残念に思ってしまいました。2025/09/29
くさてる
26
以前の版で既読だったが、やっぱり良いなあ。萩尾望都のコミカライズの素晴らしさも実感しました。この時代のSF作家にしか書けない作品、この時代にしか存在しなかったSFとして永遠に残るものだと思う。なんとも微笑ましい「アイナーおじさん」がとても好きです。2025/11/02
k16
25
「ロはロケットのロ」でもよさ気だが邦題が 秀逸な表題作含む短編17編。 少年の夢や憧れの詰まった作品群。 有名な「霧笛」「雷の音」「太陽の金色のりんご」はもちろん、止むことのない雨の中避難所となる太陽ドームを探し続ける「長雨」、8日の寿命で世界を変えようとする「霜と炎」もなかなか。 あと「タイム・マシン」も好き。2025/10/18
酔花
7
ただただ懐かしい。ストーリーは忘れても、ブラッドベリの描くみずみずしいセンテンスは忘れられない。劇的な展開というのはないが、どれも子供時代にみたビー玉のようなきらめきが宿る。2025/10/01




