内容説明
いまも世界中で読み継がれる、広島の被爆少年少女の手記『原爆の子』(1951年初版)。
戦後80年の節目に、最晩年を迎えた執筆者らがいま伝えたいこと。
1972年、執筆者らのグループ「きょう竹会」が発足。以来50年にわたり、年に一度集まり、被爆者の人生の苦悩を分かち合い、励まし合ってきた。本書では、同会会長である著者が自らの人生を振り返りながら、「原爆の子」らがこの80年をどのように生き抜いたのか伝える。最晩年を迎えた彼女らが次世代へ送る、生きるためのメッセージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
141
いまだに言葉にしきれない思いがある。8月6日からの手記。もう数日早く戦争が終わっていればと母は言った。この状況下でも人助けをする父の姿が忘れられない。原爆症に苦しみ、世間の目が変わっていく現実。語り継がなければ人は忘れてしまうもの。残された「原爆の子」岩波書店。執筆者の集合写真は貴重である。大人になり「原爆の子その後」も出版され、本書でも平和への願いを届けている。自分の人生を否定され、進む道を反対されても、好きなことをして嫌なことを忘れてきた。不安は一生続くけど、一日一日悔いのないように生きる。強い言葉。2026/06/23
りらこ
27
感想が溢れすぎて文字化するのが難しい。戦争、そんなことで死ぬのは嫌だと子どもの頃は怖くてたまらなかった。でもこの本を読むと、その後続く人生が存在している。傷や病気、差別。だいたい被爆者だからと差別されるのはおかしな話だよね。この本を書いた早志さんは、明るく前向きに自分の好きだったダンスや歌ができる日々を取り戻し、「原爆の子」のメンバーを再会させまた本を出している。それにしても岩波書店ってすごい。文字の力をきちんと信じ発揮している。2026/05/29
小崎アキ【知る人ぞ知る本棚】
6
「原爆を許すまじ」を、著者はバスガイド時代に歌わなければいけないのに歌えなかった。歌詞を改めて読んで、初めて立ち止まった。修学旅行で学んだこの歌を、当事者が歌う。そんな場面、想像したことがなかった。作詞したのは非被爆者の文学青年。外から見た原爆への詩だった。被爆当事者の痛みを想像して作られた歌と、実際にその場を生き延びた人の気持ち。そこに隔たりがあったのかも知れないと、この本を読んで思った。│作品解説→https://aki-o1984.hateblo.jp/entry/2026/05/14/0015002026/05/14
読生
5
生き残って、それでめでたしではない。 生きているからには人生は続く。 原爆の子だけども、今を生きる人間。 一生原爆の子だけども、ひとりの現代人。 自分の一生を生ききるのはもちろん、原爆の子としての自分の行き方もずっと模索して。 それはきっとお母さんもそうだったんだろうな。 ひどい傷を負いながらも、ただ耐えて子たちを守り、育ててきた母。 誰かに知って欲しくなるよね。その生きざまを。 2026/04/26
エル
4
原爆の悲惨さは投下された時だけでなく、その後の人生にもついて回る。命さえあればどうにかなる、と著者は語っているが、本当に強い方だなあと思わずにはいられない。この悲惨な記憶を後世に、私ももっと原爆の本を読んでいこう。2026/06/10




