内容説明
情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。
40年ぶりに再会を果たした同級生のカメラマンとスタイリスト――「兎に角」
「ボケたら関係解消」が条件で、生活をともにする70代ホストと美容師――「ひも」
遅咲き小説家と、過去をあかさぬ女性大学教授――「情熱」
ほか、全6編。
直木賞受賞作『ホテルローヤル』、中央公論文芸賞受賞作『家族じまい』に連なる、静かな大人たちの物語。
【著者略歴】
桜木紫乃 さくらぎ・しの
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞受賞。07年同作を収めた『氷平線』で単行本デビュー。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞、20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞を受賞。ほかに『ブルース』『裸の華』『緋の河』『ヒロイン』『谷から来た女』『青い絵本』『人生劇場』など著書多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
179
桜木 紫乃は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、生き惑う大人たちの短編集、オススメは、「兎に角」&「ひも」です。タイトルの情熱は、あまり感じられませんでした。https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents_amp.html?isbn=978-4-08-770007-72025/08/14
いつでも母さん
135
桜木さんの新刊は6話から成る短編集。どれも好かった。何たって『情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ』だもの。激しく燃え上がるような感情は既に遠いところへ押しやられた日々を生きている私だが、作品世界に触れ思い出したりする感情もある(懐かしいだけだが)印象に残ったのは『ひも』『グレーでいいじゃない』『らっきょうとクロッカス』特に白黒つけたがる私に「グレーでいいじゃない。つきつめんなよ。」そう言われた気がしてホッとするような、苦笑いのような・・もっと肩の力を抜こうよ、私。今回も桜木姐さんにどっぷり浸った感じ。2025/07/28
おしゃべりメガネ
119
やっぱり北海道出身、しかも長らく住んだ釧路の方というコトから作者さんの作品(特に短編集)はしっかりと読み続けています。本作も基本、北海道の各地を舞台にした6編からなる短編集です。どの作品も静かに年を重ねた男性、女性それぞれが主人公で本当にステキな歳のとりかたをしている描写でうっとりしてしまいます。1番好きなのは『らっきょうとクロッカス』で人と人との温かいつながりにココロがほっこりします。どの人物もなんとも言えない陰をまといながら、どこかやさぐれ、どこかふっきれた感じの生き方に強く共感し憧れてしまいます。2025/08/11
ナミのママ
103
「兎に角」「スターダスト」「ひも」「グレーでいいじゃない」「らっきょうとクロッカス」「情熱」6話短編集。主人公は人生の半分を過ぎた大人たち、彼らは過去を振り返りながらこれからの一歩を踏み出していく。そこには情熱があるのだが燃え上がるものではない、その加減が絶妙にうまい。「グレー」の登場人物は過去作『家族じまい』のあの人たち、さりげないリンク。「ひも」の生活感ある描写と優しい関係が一番好き、これから増えていく形態かもしれない。心の奥底に仕舞い込まれた女の感情を揺り動かす静かな物語。2025/07/08
ゆみねこ
89
6つの短編「兎に角」「スターダスト」「ひも」「グレーでいいじゃない」「らっきょうとクロッカス」「情熱」。どれも人生の半ばを過ぎた大人たちの物語。全部良かったが中でも「らっきょうとクロッカス」は好き。桜木さんの巧さに感服!2025/08/11
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