講談社文芸文庫<br> 女のいる暦

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講談社文芸文庫
女のいる暦

  • 著者名:川崎長太郎【著】
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  • 講談社(2025/07発売)
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  • ISBN:9784065401361

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内容説明

23歳で文壇デビューしながら、その後不遇の時代が続いた私小説作家の川崎長太郎。東京での執筆に見切りをつけ、小田原の実家物置小屋に棲み、創作に専念すること十数年……。
1954年に娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きるが、しばらくすると終息、そして間を置いて再び話題に……という具合の作家人生だった。
この作品は大正期後半、24歳の主人公が私小説の習作に励みながらも食べていくために子供向け読み物で糊口をしのいでいた時期に始まる。その後は27歳、29歳、31歳、33歳、35歳、すこし空いて42歳、45歳と年齢を重ねるたび、その時期に交際のあった女(カフェの女給、若い女流作家、家出した人妻、娼婦、芸者、食堂の女中)との日々を媒介にして大正末から敗戦直後に至る作家生活の周辺を回想するという仕立てで書かれている。
一見、いい気なものだという話にすぎないと感じられるかもしれないが、その筆致に甘さや虚飾はない。愛すべき人間でありながら、とうてい普通の市民としては生きられない「業」を背負ったかのような者たちが懸命に生きる姿が鮮やかに描き出されている。読後感はむしろ清々しささえ湛えているのである。

目次

目次:
明子の章
ユキの章
民枝の章
陸子の章
芳子の章
君栄の章
女中達の章
再び民枝の章
あとがき
解説
年譜
著書目録

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

hasegawa noboru

15
今年歿後四十年の節目だという私小説作家、初読み。小田原の魚商の家の出で、実家のトタンで出来た水道もなければ、トイレもない物置小屋生活を、戦後一九五八年まで二〇年間続けたと巻末の年譜にある。ちなみにその年「売春防止法完全施行」とあって、その翌年、この本が書き下ろし長編として刊行されたとある。<私は二十四歳になっていました。>とあるからこれも後ろの年譜で確かめると、一九三五年(大正一四年)。その明子の章から始まって<私は四十五歳になっていました。>同じく一九四六年(昭和二一年)の章で結ばれる。その時々関わった2025/08/26

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