歴史文化ライブラリー619<br> 勲章の近代史 - 権威と欲望のメカニズム

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歴史文化ライブラリー619
勲章の近代史 - 権威と欲望のメカニズム

  • 著者名:刑部芳則
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 吉川弘文館(2025/07発売)
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  • ISBN:9784642306195

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内容説明

国家や社会への功績を讃えられた人が天皇から授与される勲章。その制度はなぜ誕生し、いかに運用されたのか。明治政府による制度設置や、勲章外交の展開、戦争と論功行賞など、勲章が果たした役割を探りながら、叙勲をめぐる利欲や栄誉欲が渦巻く人間模様を浮き彫りにする。日本近代史に初めて勲章を位置付け、現在にまで続く制度の意味を探る。

目次

売勲事件―プロローグ

勲章の誕生
 勲章の「夜明け前」
 新政府における序列
 勲章制度の創出

広がる叙勲
 西南戦争と叙勲者の増加
 勲章制度の形成
 難航する定例叙勲

元勲の証
 整備される勲章制度
 特別叙勲という例外措置
 元勲への道

勲章外交
 勲章外交の形成
 勲章外交の展開

大正時代の変化
 官僚以外への対応
 菊花章と桐花章の基準
 摂政の代行という特別措置

戦争の拡大と膨大な論功行賞
 昭和大礼と不況と事変
 日中戦争と論功行賞
 大日本帝国と勲章制度の終焉

現代にまで続く勲章制度の流れ―エピローグ

あとがき
参考文献
巻末資料

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

130
ナポレオンは「人間を動かすのは勲章という玩具なのだ」と述べたが、明治政府にとっても勲章制度の創設は国民を統制する手段だった。授与する政府の権威を高めると共に、受勲者の名誉欲と承認欲求を満足させ正統性を主張できるようしたのだ。大半が下級武士出身者だった維新の功労者も、古い身分を誇る旧公家や大名と自分たちの落差を埋める手段となった。叙勲はエリートの証明であり、戦争における功労の印となり、成功者の誇りとなったため売勲事件や勲章の見せびらかし写真など悲喜劇を生んだ。勲章を欲しがる日本人の心性を培った歴史でもある。2025/08/13

スプリント

7
知られざる勲章の世界。 功成り遂げた人はその証として勲章がほしくなるようです。2025/07/27

Teo

3
著者が過去に類を見ない日本の勲章の歴史と自負するだけの内容はあった。だから戦時中までの制度はよく分かったが戦後の制度がチラとだけだったので後から調べた。栄典の根拠になるのは日本国憲法第7条。それに基づいて閣議決定を経て授与されている。2025/08/02

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