内容説明
目立った手柄はないのに、警視庁捜査一課に所属する和戸宋志。非番の日に偶然訪れた先々で起きる事件を解き明かすのは、そこに居合わせた人びと。それは、そばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる和戸の不思議な能力のおかげだった。謎の多いダイイング・メッセージ、雪の日の銃撃事件、バスジャックされたバス内の死体……。平凡な刑事・和戸の周囲で起こる、推理合戦の行方は――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
51
ミステリもので本人は推理せずに、関係者が次々推理を披露していくというのは珍しい。本人の知らぬ間にではなく、一般人が次々解決していく様は笑える。7つの短編と、和戸が監禁されている話。これが短編をすべて見ると監禁されいる犯人が分かるという構成。ワトソン力をフリにしている話もあれば、事件そのものではなく証拠の台本で推理という形も。個人的に面白かったのはラストのバスジャックの話。そんなとこから犯人を持ってくるかという離れ業であり、確かに不運な犯人である。2025/09/07
森オサム
42
著者は本格ミステリの短編を書く事が多いと思いますが、本作も同じでは有ります。しかし他作品は推理クイズの様な感じで味気無い所が残念なのですが、今回は小説として面白かったです。基本全てクローズドサークルでの多重解決ミステリと言うマニアックな物なのですが、やはり「ワトソン力」の設定が画期的な発明でしたね。この馬鹿馬鹿しい力(褒めてます)のおかげでとんでも推理でもOKですし、急に全員が推理を初めてもOKになっている。そして本作はプロローグ、インタールード、エピローグを加えて連作短編集にしている。上手く纏めてるね。2026/05/29
のんちゃん
26
警視庁捜査一課の和戸には、謎に遭遇すると和戸から一定の距離にいる人がその推理力を飛躍的に向上できる、ようにさせる特殊能力がある。彼はそれをホームズの物語のワトソン博士に因みワトソン力と名付けた。ある日、和戸は監禁される。犯人はきっと和戸が以前関わった事件でワトソン力で事件を解決した者の中にいて、監禁中、それを利用しようとしていると思い、過去の事件を思い出して行くという話。著者の他のミステリはダイレクトな探偵役がいて面白いので、それでいいのではと思うが、ワトソン力の意義を知る為にも次回作も読もうと思う。2026/07/10
mayu
26
警視庁捜査一課に所属する和戸は居合わせた人の推理力が上げる事ができる能力を持っている。事件が起こる度に推理合戦が始まり、事件の真相に辿り着くのは和戸以外の人達。なに、その能力面白そう!と選んだけれど事件自体も推理も大胆なものが多く、え、そんな事ある?え、無理ないか。という思考が度々チラついてしまった。設定は面白くて好きなんだけどなぁ。複雑な事を考えずにエンタメ感覚で読むのが良かったかもしれない。2025/07/22
ベローチェのひととき
25
妻から廻ってきた本。7編からなる連作短編集。主人公は警視庁捜査一課の和戸宋志。和戸には、謎に遭遇した際、和戸のそばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させるという不思議な能力を持っている。登場人物を4名程度に絞り、閉ざされたシチュエーションを描き出すところが面白かった。7編目のバスジャックの話は犯人が意外すぎて驚いた。2026/07/24
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