内容説明
上杉謙信と、その妻・於龍
「奇妙(クィア)」なふたりは
憎悪も、愛情も、超えてゆく!
大藪春彦賞受賞後第一作
謙信の妻を描く、初の歴史小説
「抗え、戦え、歩みを止めるな。
かつても今も在り続ける魂の叫びに寄り添う物語」
澤田瞳子、推薦
父から越後守護代を奪った長尾景虎(後の上杉謙信)への復讐のため、母から“女”を捨てさせられた於龍。彼女は景虎を激しく憎むが、当人はどこ吹く風で、於龍のことを「面白(おもしょ)い奴」と気に入ってしまう。長尾の重臣たちが二人の婚姻を越後支配のために利用する一方で、甲斐の武田晴信(後の信玄)は隣国侵攻の調略を始めようとしていた――。史料を丹念に読み解き最新研究を踏まえ、生涯独身と言われてきた上杉謙信と、その妻の半生を鮮やかに描く。
謙信の妻・於龍は、どんな女性だったのか?
そしてなぜ、歴史の陰に消えたのか?
装幀 二見亜矢子
装画 とびはち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kanki
17
気分屋で見栄っ張りの謙信はなぜ、妻帯しないのか、なぜ嘘を嫌うのか、なぜ癇癪するのか。皆に望まれる人形となるしかないのか。信玄、北条、蛟、お濃。面白かった2025/08/09
mitubatigril
10
上杉謙信とは もう伝説のような話ししか知らずいわゆるイケメンででも男気があり それで生涯女人不犯と思っていたが この作品の謙信は正反対でイケメンでなくなまりがあり 名誉欲が強くて いやはやイメージが崩れ落ちる感じで😅 ただあくまでも主人公は謙信の正妻でご新造さまと呼ばれたお龍 謙信よりも血筋良い上杉のお姫様 ただ幼少期から毒親と今では言われる母のせいもあり男として育ってられ男のように振る舞ううちに自分のアイデンティティを考えながら生きていく。当時では考えつかない考え方や生き方に感慨深い。2025/09/04
yasuyuki suzuki
8
上杉謙信に妻はいたのか?その難題に挑んだのがこの作品の焦点になっているのでは、生涯独身を貫いたとの通説しかしその通説をくつがえすのがこの作品「龍と謙信」歴史小説好きにはもちろん読みごたえ充分な作品、初心者にとっては新たなる発見があるかも知れない歴史ミステリー仕立てなのでしょうか?色々難題を乗り越えていく於龍、読んでいてわくわく感が止まらない傑作だと思いました。あなたも読んでわくわく感を共有してみませんか?2025/06/04
chuji
4
久喜市立中央図書館の本。2025年7月初版。書き下ろし。上杉謙信には妻がいた?武川さんの著作は五冊目の読了です。これまで読んだ四作とも面白かったので、期待していたのですが、今回はチョッとハズレ?でした。2025/12/19
ハッピー
4
【図書館】ダ・ヴィンチの新刊情報で気になった久しぶりの武川佑さん.生涯独身だったとされる上杉謙信に手紙に新造という言葉があることから妻として兄の長尾晴景の娘で姪の於龍を創作した1冊.戦さは謙信が,政は於龍が二人で等分した謙信の人生を於龍視点で描いています.大酒飲みやったり家出したり目から鱗でした.2025/12/06




