内容説明
らんたんの灯を絶やさないで。それは教育という名の希望なのだから――。伊勢に生まれた河井道は、札幌で新渡戸稲造に学び、米ブリンマー大学に留学、帰国後は津田梅子が創設した女子英学塾で教えた。良妻賢母ではなく、ひとりの人間として生きるための女学校をつくろうと、道は教え子の渡辺ゆりと奔走する。明治・大正・昭和の女子教育を築いた〈魂の姉妹〉(シスターフッド)を描く、輝きに満ちた大河小説!(解説・村岡恵理)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
21
恵泉女学園の創設者・河井道の生涯を描く、まさに大河ドラマだ。明治時代、伊勢の神職の家に生まれた道は、函館へ移住し、キリスト教徒となる。新渡戸稲造と出会い、彼の勧めで米国の大学への留学し、知見を得て帰国、津田梅子の女子英学塾の教師となる。教え子の渡辺ゆりと出会い、生涯の友情を培う。キーワードはシスターフッドとシェアだ。女性に学問は不要という時代。女性の人間性を育む学び舎を創る道の、絶やさぬ笑顔が多くの人々を惹きつける。大山捨松、広岡浅子、村岡花子、柳原燁子。朝ドラの主人公等が道の元に集う、爽快な物語だ。2025/08/20
NAOAMI
11
女性の生きる権利、男女平等とか、今この世ですら満足なレベルかと言うとさほどでもない。それが明治・大正・昭和、戦前・戦中の話となると、どれほどの障壁を乗り越えるべきなのか途方に暮れても仕方がない程。女子教育という観点で津田梅子が種をまき、その次を担ったのが河井道という女性。一色ゆりとのシスターフッドな二人三脚が描かれ、新渡戸稲造と共に日米の架け橋となった。彼女の理想が戦時中砕けそうにもなるも、持ち前の明るさと根性というか開き直りで打開。憲兵と丁々発止やり合う姿もカッコイイ。ここぞと我を貫き通した足跡に感動。2025/08/14
tnyak
5
恵泉女学園を創設した河井道の半生を記した力作。本書と出会って、女子教育の礎を築いた女性の人生の一端を知ることができ、本当に有意義な読書ができたことに感謝したいです。2025/08/02
スマイル
2
およそ700頁もありながら、とても楽しめた。 まるで、NHKの朝の連続ドラマを観ているかのように、明治から昭和初期の女性たちが複数人登場する。 津田梅子、村岡花子、柳原白蓮、平塚らいてう…。 また、有島武郎や太宰治に対する表現も面白い。 津田梅子のことは知っていたものの、河井道についても恵泉女学園についてもほとんど知らなかったが間違いなく日本を女性たちにランタンの灯りを灯し続けていた方だったのだと思う。 柚木麻子さんの著書は『BUTTER』も良かったが、この『らんたん』も最高にいいお話でした!2025/08/19
ぽたぽた〇焼き
2
史実にフィクションを織り交ぜた明治から戦後に至るまでの大作。膨大な資料と格闘したであろう著者に敬意を表したい。数多くの著名な女性活動家との交流が描かれていて、あー、この人達は同じ学舎にいたのか等々、わくわくして読んだ。後半、事実の羅列だけで忙しい部分もあったが、現代に生きる我々へのメッセージが新渡戸稲造や道の言葉によって語られる。 大河ドラマ化できそう。2025/08/17