アフガニスタンを知るための70章

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アフガニスタンを知るための70章

  • 著者名:前田耕作【編著】/山内和也【編著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 明石書店(2025/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784750352435

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内容説明

東西冷戦や宗教原理主義の台頭、いわゆる「テロとの戦い」の舞台となるなど、数十年にわたり苦しい状況に置かれているアフガニスタン。日本との国交樹立90周年を迎えるにあたり、その歴史と文化、人びとの暮らしを、平和と復興への期待を込めて幅広く紹介する。

目次

はじめに――アフガニスタンとはなにか
アフガニスタン概略全図
Ⅰ アフガニスタンの国の輪郭
第1章 国の形と統治機構――国民国家アフガニスタンの相貌
第2章 アフガニスタンの風土――多様な自然環境と景観
第3章 多民族が織りなす社会――言語・宗教・文化の交流と共存
第4章 アフガニスタンにおける「民族」対立の構造――パシュトゥンによる国民統合の歴史からみる分断
Ⅱ 国の歩み
第5章 アフガニスタンの曙――旧石器時代~鉄器時代
第6章 アレクサンドロスの東方への夢――バクトリアとソグディアナ
第7章 クシャン朝――東西交易と花開く仏教文化
第8章 西方と北方からの侵入者たち――ササン朝、フン、イスラム
第9章 ドゥラニ朝の時代――アフガニスタン政治史とパシュトゥン人
第10章 「グレート・ゲーム」の時代におけるアフガニスタン――19世紀から20世紀初頭の政治動態
第11章 王政の廃止、ソビエト軍の侵攻、内戦、タリバン政権――国際情勢の荒波にもまれて
第12章 アフマド・シャー・マスード――国民的英雄の素顔
【コラム1】アフガニスタンの教育システムと教科書からみる学校教育
Ⅲ 生活の基盤
第13章 現代アフガニスタン経済事情――課題と活路
第14章 近年のアフガニスタン経済動向――混乱する国内情勢と困難な農業復興
第15章 商業、バザール経済、地域経済、ハワーラ――公式・非公式の仕組みが共存するアフガニスタン商業活動の諸相
第16章 アフガニスタンの環境問題とごみ――カーブルにおける廃棄物管理
第17章 アフガニスタンの医療事情――厳しい自然環境や道路事情、宗教、伝統が課題
第18章 苦しい家計事情――なくならない貧富の差と貧困層
【コラム2】アフガニスタンの手織り絨毯
【コラム3】意外と似ている日本とアフガニスタン
Ⅳ 多声的な文化
第19章 アフガニスタンの人びとの一生――誕生から冠婚葬祭、宗教行事から儀礼まで
第20章 アフガニスタンの人びとの暮らし――民族や宗教で異なる衣食住
第21章 アフガニスタンのコミュニケーション事情――戦後変化を遂げたマスメディアと娯楽
第22章 アフガニスタン人の娯楽と芸能模様――演劇・音楽・舞踊について
【コラム4】ブズカシ
第23章 映画から見たアフガニスタン――外部者の眼から映像の自己表現へ
第24章 アフガニスタンの遊牧民――その歴史と多様性
第25章 パシュトー文学と「ダリー語文学」の形成――20世紀における国民統合政策との連関
第26章 おしゃれ好きのアフガン人――既製服よりオーダーメイドが主流、古着だってコーディネート
第27章 歌詞を通じてみるアフガニスタンの心――愛する人や故郷への想い
【コラム5】ヘラートの細密画(ミニアチュール)
Ⅴ 文明の十字路
第28章 オクソスの流れ――多様な文化をつなぐ象徴
第29章 黄金のバクトリア――ティリア・テペ
第30章 漢籍史料からみたアフガニスタン――7世紀から8世紀を中心に
第31章 仏像の誕生――怖れを知らぬ獅子
第32章 求法僧の道――玄奘がたどったアフガニスタン
第33章 メス・アイナク遺跡群――埋もれた仏教都市
第34章 マルコ・ポーロの道――正確なそして夢を誘う記述
第35章 イスラムが残した建築――土着の建築伝統に刻まれた文化往来の軌跡
第36章 アジア・ハイウェイ――首都カーブルで東西幹線AH1と南北幹線AH7が交差
第37章 ラピス・ラズリ交易の中核地としてのアフガニスタン――不正採石・密輸問題を中心に
【コラム6】悲劇に見まわれ続けるジャムのミナレット
Ⅵ アフガニスタンの旅
第38章 アフガニスタンとヨーロッパ――フランスとの出会い
第39章 アフガニスタンの動物と保護区――過酷な環境に生きる生き物たち
第40章 バーミヤン――光り輝く土地
第41章 カーブル――国の激動の歴史を体現している都市
【コラム7】駐アフガニスタン日本公使館のはじまり
【コラム8】カーブルの日々
第42章 マザーレ・シャリフ――白鳩舞う紺碧の墓標
第43章 ヘラート――文化香る古都
第44章 カンダハール――アフガニスタンの古都に2004年に訪れる
第45章 ガズニ――かつての文化センター都市
第46章 改宗の光があてられたヌーリスタン――山の伽藍、光の国の饗宴
第47章 ワハン回廊――今も生きるグレート・ゲームの狭間
【コラム9】チェル・ボルジ紀行
Ⅶ 日本とアフガニスタン
第48章 日本とアフガニスタンの出会い――なぜか心かよう二つの国
第49章 裸の眼で都市文明を射る――東松照明著『サラーム・アレイコム』をめぐって
第50章 アフガニスタンの陶器作り――古代からつづく伝統的な製法
第51章 NGOの支援活動――子ども・若者・成人への教育支援を中心として
第52章 日本に住むアフガニスタン人――千葉県に4割以上
第53章 文化遺産を護る――平山郁夫画伯の取り組み
第54章 アフガニスタンとメディア――どう伝えてきたのか
第55章 アフガニスタンにおける日本の学術調査――自らの目で現地を見る
【コラム10】ヒンドゥクシュ山脈に蝶を追って
Ⅷ 戦後復興
第56章 「地雷」と生きる――被害の現状と課題
第57章 難民問題と国連組織の活動――帰還民とIDPへの支援
第58章 アフガン女性と人権――ジェンダー差別とジェンダーにもとづく暴力の視点から
第59章 10人のうち6人が文字を読めない社会での教育――識字の大きな役割
第60章 アフガニスタンの麻薬・違法薬物――アヘン・ヘロインと新たな脅威・覚せい剤、日本の支援
第61章 学校を造る――バーミヤンでの学校建設とその後の交流
第62章 羽ばたけ、山の学校の子どもたち――支援・現実・夢
第63章 井戸を掘り、水路をうがつ――中村哲とPMSの活動
第64章 復興への日本の貢献――外交と安全の間で
第65章 文化遺産の継承――命を懸けて引き継ぐ歴史
【コラム11】アフガニスタン、旅の歌・歌の旅
Ⅸ アフガニスタンはどこへ向かうのか
第66章 統合か、分裂か――再生への模索
第67章 アフガニスタンをめぐる利権――他国の国益・利権をめぐる思惑に振り回されるアフガニスタン
第68章 テロはなぜ起こるのか?――もうひとつのサウジアラビアの「輸出品」
第69章 新たなアフガニスタンをめざして――新生アフガニスタンに立ちはだかる高い壁
第70章 明日への希望――アフガニスタン人との絆
【コラム12】幻想の未来
補論 アフガニスタン情勢の変化
あとがき
資料2 アフガニスタンと日本の交流・年譜
資料1 アフガニスタンを知るための文献・映像

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

67
2021年9月出版なので、今の状況書いてあるかナと思ったのですが、補論を急遽差し込んだ感で、ほとんどの文章はそれ以前の。  こりゃ大変だわ。問題山積みな国です。今後どうなるのか・・ 2021/12/07

19
9月の出版する直前にタリバンによるクーデターが起きて、急遽補講を差し込んだ増補版。各章読んでるだけで大変なのに、もっと大変なのだ…。ラピスラズリはアフガン産と聞いて、パワーストーンってあんましアレだなって思ったり、仏教の聖地バーミヤンはモンゴルに全滅させられたり、マスード将軍の夢が図書館つくることと読んで涙目になったり、現状10人中6人文字が読めなかったり…。針金で編んだ籠に石を積む蛇篭工とその後ろに柳の挿し木をする柳枝工を併用して、針金がさびて破れる頃には柳の根が用水路を守る中村先生の工法。2022/04/03

にゅ

5
アフガニスタンの民族、歴史、文化などが網羅的に説明されており非常に分かり易い。殆どは第二次タリバン政権(2021.8)以前の記事だが、一部それ以後の記事もある。インドに対抗するためにパキスタンがタリバンを支援し、インドと仲の悪い中国がパキを支援する構図。結局その辺の争いが無くならない限り、アフガンの安定も無いのではないかと思った。世界に流通するアヘンの8割はアフガン産。タリバンは原料のケシ栽培を禁止したが、アヘンは換金性が高く、アフガン農民の貴重な収入源。貧乏だからそれで稼いでたのに今後どうするのって感じ2022/12/18

takao

3
ふむ2021/12/06

Ahmad Hideaki Todoroki

1
明石のエリア・スタディーズにハズレなしの法則は本書にも当てはまります。本書では一般的にほとんど知られていない日本とアフガニスタンの交流にも一章が割かれており、タリバン政権復活により両国間の心理的距離が拡大しつつある現状に心を痛める人は是非読むべきでしょう。敢えて注文をつけるなら、アフガニスタンの食文化と生計の基本である農業についても項目が欲しかったです。2023/06/11

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