内容説明
社会派ミステリの名手によるクライム巨編!
後味最凶の作家デビュー20周年記念作品!
2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。
血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい――。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。
しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。
不穏な日常、酷薄な悪い奴ら、鳥肌必至のラストシーン……これはあなたのすぐ隣にある物語。
人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す、戦慄のクライム巨編!
「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者)
(底本 2025年6月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
313
薬丸 岳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、デビュー20周年記念作品、裏IWGPノワールと言った感じでした。途中までは好かったのですが、最期はあっけなく、後味最凶ではありません🦉🦉🦉 https://www.shogakukan.co.jp/books/09380130 2025/08/30
イアン
196
★★★★★★★☆☆☆デビュー20周年記念作品となる薬丸岳の長編。家庭や学校に居場所を失くし、鬱屈した思いを抱える者たちが集う街・池袋。「本物の家族」を基本理念に組織された〝こうふくろう〟なる団体は、やがて犯罪行為に手を染めていき――。総勢5名の視点から、コロナ禍の生きづらさや「家族の在り方」を描いた群像劇。500Pを超える力作だが、鍵となる人物同士の接点が「実家がはす向かい」で済ませてしまっているのが惜しい。犯罪被害者にも加害者にも優しい眼差しを向けてきた著者が、ある意味で冷徹に徹したラストが意外だった。2026/03/02
いつでも母さん
187
血がつながっていなくても、戸籍上同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい―芹沢涼風が西島翔達と立ち上げた『こうふくろう』巨大化した集団は、涼風達の手を離れて犯罪行為が常習化していた・・「本物の家族」かぁ。時はコロナ禍、閉塞感に若者の孤立が絡んで帯には『あなたのすぐ隣にある物語』とある。登場人物が多いのに加え別の呼び名が飛び交う為に混乱しながら、重たくイヤ~な空気感に支配されて読後感は悪い。池袋のフクロウ像はどんな目で彼らを見ていたのだろう。そして、ナイト・小堀颯太は何処へ・・2025/07/19
ウッディ
181
コロナ禍で孤立した若者達の互助会として生まれた「こうふくろう」。外出自粛の中、家庭に居場所がなく、相談できる相手もない、池袋に集まる若者達にとって、話を聞いてくれ、生きていく助けをしてくれる彼らに、傾倒していく気持ちはよく解ったが、人助けするにもお金がかかる。活動資金はどうなっているのだろうと疑問を持った頃から、不穏な雰囲気が流れてくる。社会や家族に見捨てられた人々が生きていくには、犯罪に手を染めるしかないのか、こうふくろうの理念は良いのに、最悪の手段を取らざるを得ないのか、暗く憂鬱な気持ちで読み終えた。2026/05/22
モルク
149
コロナ禍。休校、リモート、営業自粛…人と人との繋がりが稀薄となり、さらに家庭においても多くの歪みを持った人々。居場所をなくした人に絆を深め血縁ではなく幸福になるための本当の家族を作ろうということから始まった「こうふくろう」の活動。希望をもって始めたはずなのに…人数も増え、当然金銭も絡んでくると歪み、ほころびが見えてくる。時系列が分かりにくい上に、登場人物も多くそれも名前とニックネーム双方ありごっちゃになって苦労した。それでもそれぞれ新たな道…最後に来てお前はなんということを!苦い思いが溢れた。2025/11/19




