内容説明
社会派ミステリの名手によるクライム巨編!
後味最凶の作家デビュー20周年記念作品!
2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。
血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい――。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。
しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。
不穏な日常、酷薄な悪い奴ら、鳥肌必至のラストシーン……これはあなたのすぐ隣にある物語。
人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す、戦慄のクライム巨編!
「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者)
(底本 2025年6月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
163
血がつながっていなくても、戸籍上同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい―芹沢涼風が西島翔達と立ち上げた『こうふくろう』巨大化した集団は、涼風達の手を離れて犯罪行為が常習化していた・・「本物の家族」かぁ。時はコロナ禍、閉塞感に若者の孤立が絡んで帯には『あなたのすぐ隣にある物語』とある。登場人物が多いのに加え別の呼び名が飛び交う為に混乱しながら、重たくイヤ~な空気感に支配されて読後感は悪い。池袋のフクロウ像はどんな目で彼らを見ていたのだろう。そして、ナイト・小堀颯太は何処へ・・2025/07/19
星群
78
あぁ、こうだったな、コロナが流行り出した頃って。緊急事態宣言、リモート、三密。まぁ、私はあまり関係ない仕事だったので、どの段階の時も常に通常モードでしたが。うーん、繋がりを求めての純粋な気持ちだったはずなのに、いつのまにか犯罪集団ですね。一人の怪物を創り出してしまった様で、彼の動向が心配です。惹句通り、まさしく〝後味最凶〟でした。2025/08/07
のぶ
77
登場人物が多く本名とニックネームが混在するので、読み進めるのに苦労した。血縁でなくても同じ思想を持つ集団『こうふくろう』を立ち上げた芹沢涼香。巨大化しすぎて手に負えなくなり、犯罪が行われ哀しい事態が発生する。未成年者、性犯罪、麻薬、コロナ禍の首切り等、誰もが陥るかもしれない穴はたくさんある。涼香の最後は少しだけ救いがあった。長い作品をどうにか読み切ったが、評価は薬丸さんの本の中ではあまり良いとは思えなかった。2025/07/23
ゆみねこ
72
コロナ禍で人とのつながりが絶たれ、孤独に苛まれた若者たち。池袋の公園に集まる行き場をなくした者たち。血がつながらなくても強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたいと大学生の芹沢涼風は親しくなった仲間と【こうふくろう】を立ち上げた。しかしその実態は涼風の理想としたものではない犯罪集団に。うーん、帯に謳ってある通り後味の悪い結末…。とんでもないモンスターが。。それにしても読み難い。ニックネームと本名が混在して、時系列も分かりにくかった。2025/08/08
Ikutan
60
実家に居場所がないと感じて大学入学と共に上京した涼風。コロナ禍の孤独に苛まれた彼女は、若者たちが集まる池袋の公園で、閉塞感の中、同じように行き場を失った若者たちに出会う。彼らと共に、血は繋がっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」になろうと、『こうふくろう』を立ち上げたのだが…。次第に彼女の思いとはかけ離れ、都合のいい解釈で悪用されていき、組織は犯罪集団に。どうなることかとハラハラ。それにしても、時系列が前後するので、何とも読みにくい。いやぁ、救いの無い最終章で後味悪し。2025/08/06
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