内容説明
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本書は接着のなかでも、自動車の車体や航空機の胴体のような構造用の接着接合に焦点をあてた入門書である。接着のメカニズムや接着剤の種類といった基礎的な内容から、接着接合の耐久性をどのように評価するのかといった実務に直結するような内容まで取り扱っている。さらに、類書では取り扱われることの少なかった、疲労やクリープなどの力学的負荷、および、湿熱にもとづく環境的負荷とが組み合わさることで生じる複合的な劣化についても丁寧に解説している。これらの内容は、接着の研究に長年従事してきた著者による独自の実験データや観察結果を多数交えて紹介しているので、読者自身で実験を行う際の注意点や意識すべきポイントが具体的に理解できるようになっている。これから接着接合の研究を始める初学者はもちろん、経験豊富な読者でも新たな気づきや発見がある内容となっている。
目次
第1編 接着工学の基礎編
第1章 なぜ接着なのか
1.1 軽量化の切り札(航空機,自動車の場合)
1.2 接着接合の長所と短所
1.3 短所の克服事例(ウェルドボンド)
第2章 接着剤の種類と特徴
2.1 構造用接着剤とは
2.2 構造用接着剤の種類
2.3 接着のメカニズムと被着体の表面処理
第3章 接合強度試験片の種類と作製時,試験時の注意点
3.1 重ね合わせ継手(LJ)
3.2 ダブルカンチレバー(DCB)
3.3 接着硬化物(バルク)
3.4 T型はく離試験片(T-Peel)
3.5 くさび型衝撃試験片(IWP)での衝撃試験
3.6 強度評価試験に用いる試験片/試験機とその目的
3.7 強度データの統計的整理:ワイブル関数
3.8 破面解析の重要性
第4章 分析の基礎:原理と目的
4.1 光学顕微鏡と偏光顕微鏡
4.2 電子顕微鏡(SEM)と元素分析(EDS)
4.3 接着剤の化学構造分析
第2編 実際の耐久性強度評価(その1:疲労とクリープ)
第5章 耐久性における強度
5.1 考慮すべき環境負荷および力学負荷
5.2 材料のふたつ強度
第6章 疲労
6.1 試験方法と疲労線図の読み方
6.2 疲労破壊と寿命の関係
第7章 バルク(接着硬化物)の疲労と微小き裂のあつかい
7.1 表面に微小き裂を有するバルクの疲労試験
7.2 バルクの破壊力学的評価
7.3 バルクの線形累積損傷則
第8章 LJの疲労強度に与える応力比の影響
8.1 応力比が疲労強度に与える影響
8.2 繰返しひずみを受けた接着継手の残存強度
第9章 き裂進展速度(da/dN)の測定とパリス則
9.1 き裂進展速度の測定方法
9.2 き裂進展速度測定時の注意点
9.3 き裂進展速度の測定例
9.4 バルク(接着剤硬化物)の疲労のメカニズム
第10章 クリープ破壊
10.1 クリープ曲線の読み方
10.2 エポキシバルクのクリープ試験結果
10.3 クリープ試験結果の利用方法
10.4 接着剤バルクの疲労とクリープの相互的な複合劣化
10.5 LJクリープ/疲労強度の温度依存性
10.6 バルク引張強さのひずみ速度依存性
第3編 実際の耐久性強度評価(その2:湿熱劣化と複合劣化)
第11章 最も深刻な水分による接着継手の劣化
11.1 接着継手への水の侵入とフィックの法則
11.2 オープンフェース試験片(open faced specimen)を使った水劣化加速試験法
11.3 吸水-乾燥の繰返しが拡散係数および接着強度に与える影響
11.4 オープンフェースDCBの63℃浸漬試験
11.5 劣化した接着剤のエネルギー開放率とき裂進展速度との関係
11.6 接着界面の水拡散係数の実験的求め方
第12章 被着体表面処理による界面強度の改善
12.1 レーザー処理された表面状態
12.2 レーザー処理による接着強度
第13章 温度と接着接合強度の関係
13.1 広範囲の温度と引張り強度との関係
13.2 強度の温度依存性の数式化
13.3 疲労強度の温度依存性
13.4 クリープ強度の温度依存性
13.5 強度試験の種類による高温強度特性
第14章 設計に供試するための複合劣化評価
14.1 試験方法による強度劣化の特徴
14.2 試験量の削減方法
参考文献
索引
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