内容説明
大学生の瞳星愛は、友人の皿来唄子に誘われ、彼女の実家で行われる婚礼に参加することになる。「山神様のお告げ」で決まったというこの婚姻は、「嫁首様」なる皿来家の屋敷神の祟りを避けるため、その結婚相手から儀礼に至るまで、何もかもが風変りな趣向が施されていた。婚礼の夜、花嫁行列に加わった愛は、行列の後ろをついてくる花嫁姿のような怪しい人影を目撃する。そして披露宴を迎えようというその矢先、嫁首様を祀る巨大迷路の如き「迷宮社」の中で、奇怪な死体が発見された――。作家であり民俗学研究者、そして名探偵としても知られる刀城言耶の怪異民俗学研究室、通称「怪民研」に出入りし、言耶の助手にして素人探偵の天弓馬人と共に数々の怪異譚の謎に挑んできた愛は、皿来家分家の四郎と共に事件の謎解きに挑むことになるのだが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
151
三津田 信三は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。刀城言耶シリーズを読み続けています。本書は、横溝正史「悪魔の手毬唄」のオマージュ⇒似非進化論殺人事件⇒副葬品殺人事件⇒???でした。「嫁首」と言う言葉と表紙イラストが、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。「嫁首」が千切れて飛んだり、伸びたりしたら、もっと怖かったかも知れません。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322411001465/2025/08/20
sin
53
これは刀城の登場しない刀城言耶シリーズだ。事件に巻き込まれるのはあの若き日の瞳星愛だ、彼女の遭遇する怪しげな出来事はやがて当主の怪死に至り、彼女は不可思議な体験を繰り返し怪異の下地を積み重ねていき、次期当主の謎の死に至るのだが、この間探偵役の刀城の助手天弓馬人が姿を現すことはない。しかし最後に現れる馬人に依って愛の語る怪異は事件の中から割愛されてしまい殺人と事件の真相のみが一応の合理的解釈で解き明かされてしまう。終章での卓袱台返し的な怪異の仄めかしでは謎解きで放置してしまった恐怖は取り戻せないと感じた。2025/07/04
オフィーリア
52
婚礼の儀式に見え隠れする怪異、首のねじれた変死体、見立ての童歌、これぞ論理と怪異の狭間を歩む三津田信三の真骨頂。二転三転するいつもの推理を経て辿り着く終末が全てを掻っ攫う。概ね刀城言耶シリーズなんだけど、だからこそ安定して面白い。2025/08/01
さっちゃん
49
怪民研シリーズ第2弾。大学生の瞳星愛は、友人の皿来唄子の実家で行われる婚礼に付添で参加することに。披露宴をしようという矢先、嫁首様を祀る「迷宮社」の中で首が180度回転した当主の遺体が発見され…。/今回は長編。面白かった!まずズラリと並ぶ登場人物の多さにビビるが思ったより混乱しない。冒頭から歪んだ一族、嫁首様信仰、儀式や禁忌など横溝色濃厚な雰囲気にワクワク。天弓馬人の出番が少なめなのは寂しいが、瞳星愛と一緒に自分も現場にいるような気持ちで読み進められる。個人的には前作より断然好み!遠田さんの表紙も素敵✨️2025/08/20
さつき
49
夏だし、たまにはホラーが読みたくなって。複雑な家族関係と怪しげなしきたりに満ちた世界にドキドキ。犯人探しとしてはあまり意外性はなかったけど、終始気味の悪さを愉しみました。2025/07/28
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