天下の「逸民」 革命の「新民」 - 日中近代の「文」の交錯

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天下の「逸民」 革命の「新民」 - 日中近代の「文」の交錯

  • 著者名:斉金英
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  • 勁草書房(2025/07発売)
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  • ISBN:9784326852055

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内容説明

戦争と革命の時代である、明治日本と清末中国において、「民」という一文字が、どのように躍動したか。夏目漱石、石光真清、梁啓超らの文学を丹念に追い、近代国民国家がアジアで形成されるときの、国家に対する人と言葉の抵抗の軌跡を描く、スケールの大きな作品。小森陽一氏推薦!

目次

凡例

序章 明治日本・清末中国の「民」と文学表象
 第一節 清末・明治後期の東京と満洲
 第二節 夏目漱石が描いた「逸民」・「遊民」・流民
 第三節 わきたつ中国の「民」論と「新民」・「侠民」・「国民の母」
 第四節 本書について

第一部 帝国主義戦争と明治後期の「逸民」・「遊民」・流民

第一章 「国民」の身体と「逸民」の心のアポリア――夏目漱石『吾輩は猫である』における猫・「逸民」・戦争
 はじめに
 第一節 「逸民」とは
 第二節 日露戦争と「逸民」
 第三節 「逸民」というスタンス
 第四節 「吾輩」は「逸民」である
 おわりに

第二章 「帝国臣民」と「天下の逸民」の距離――夏目漱石『趣味の遺伝』と「諷語」
 はじめに
 第一節 「諷語」とは
 第二節 「諷語」としての戦勝凱旋式
 第三節 「諷語」としての乃木凱旋
 第四節 「諷語」としての「趣味の遺伝」
 おわりに

第三章 「逸民」と「気狂」を「立方的」に読む――夏目漱石『草枕』における「文明」・戦争・「憐れ」
 はじめに
 第一節 「酔興」の旅をする「逸民」
 第二節 日本美術界と芸術家の「資格」
 第三節 鬩ぎ合いの中の「非人情」
 第四節 那美と影に動じない塵の心
 第五節 「憐れ」を〈画く〉
 おわりに

第四章 徴兵忌避する「遊民」の「沈黙した声」――夏目漱石『それから』における青年の危機
 はじめに
 第一節 冒頭の「沈黙した声」
 第二節 死生観と「知行合一」の虚偽
 第三節「名誉」と徴兵忌避
 おわりに

第五章 東京から想像する満洲と流民――夏目漱石『門』・『彼岸過迄』を中心に
 はじめに
 第一節 御米と満洲
 第二節 日露戦後の困窮と流民
 第三節 洋杖と満洲と流民
 第四節 洋杖と満洲の両義性
 おわりに

第一部を振り返って

第二部 救亡図存と清末の「新民」・「侠民」

第二部の作家紹介

第六章 馬賊と露清戦争――石光真清『曠野の花』における満洲の「花」
 はじめに
 第一節 石光真清と『曠野の花』
 第二節 揺れ動く露清国境
 第三節 暗躍する志士と諜報員
 第四節 馬賊たちの露清戦争
 第五節 日本人と馬賊
 おわりに

第七章 馬賊と日露戦争――「侠民」が見た『中国興亡夢』
 はじめに
 第一節 日露戦争と中国の〈不在〉
 第二節 亡国の危機と「優俳」・「逸民」・「志士」
 第三節 「侠」と救亡図存
 第四節 馬賊たちの日露戦争
 おわりに

第八章 方法としての「新民」――未来図を描いた梁啓超『新中国未来記』
 はじめに
 第一節 「新民」という急務
 第二節 「新民」の理想像
 第三節 方法としての「新民」
 おわりに

第九章 女性「新民」が拓く「未来」――頤瑣『黄綉球』が示した範例
 はじめに
 第一節 「頤瑣」と「二我」
 第二節 「新民」の「未来」の範例
 第三節 「国民教育」の義務とその遂行手段
 第四節 改良から革命へ・新たな「未来」へ
 おわりに

第十章 「女侠」と革命――静観子『六月霜』における「冤」をめぐる騙り
 はじめに
 第一節 静観子が示した秋瑾との距離
 第二節 越蘭石が訴えた「冤」
 第三節 「冤」の語り/騙り
 第四節 「女侠」と革命
ほか

感想・レビュー

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国家と民の概念: 逸民 新民 流民 遊民 国民意識 救亡図存 国家形成 社会変革 帝国主義 帰属意識 民衆観 民的主体 思想と表象: 文学表象 文学批判 政治参加 教育啓蒙 革命思想 社会運動 個人自由 内面葛藤 国家帰属 近代思想 啓蒙知識人 思想覚醒 歴史的背景と対比: 日露戦争 日清戦争 清末中国 明治日本 戊戌変法 辛亥革命 中日比較 外圧影響 植民地化 危機意識 文化とメディア: 雑誌 新聞 小説 表象 メディア展開 文学と政治 出版文化 言説空間 表現戦略 批評精神2025/03/30

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