内容説明
春さんが、帰ってこない――。
深夜一時半。
最愛の夫の帰りを待つ三津子。無理な残業をする彼を心配する彼女の心は、決して夫には届かない。
その想いを記した日記は、やがて幻聴、幻覚、幻影、幻想に飲まれていく。そして迎える《おしまいの日》に三津子は……。
春さんは、まだ、帰ってこない――。
正気と狂気の狭間を描く、サイコホラーの傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayah Book
15
新装版として新発売ですが、92年の作品です。サイコホラー。新井素子さんといえば、私が子供の頃大人気でした。懐かしさもあって読んでみたのですが、時代の空気感とかも感じて面白かった。内容はまぁ、大体予想がつくかなと思いながら読んでいたのですが、単純に夫への執着からああなってしまったと思っていたので、主人公の最後の行動の本当の理由が。。。結構驚きました。ミステリとしても中々良いです。皮肉な終わり方も結構酷くていいですね。サクッと読めるけど、考えさせられる。2025/06/26
まさ☆( ^ω^ )♬
8
この話、サイコホラーという枠に収めるには無理があるのではないかな。90年代頃の時代背景では、単なる狂った人みたいな感覚でホラー的な印象があったかと思う。しかし、心の病に対する理解が進んだ現代においては特別な事ではなく、いつでも起こり得る話かと思った。相手への愛情が過剰過ぎて精神のバランスを崩してしまった夫婦の悲哀の物語という印象。他人の家庭に図々しく踏み込んできて、クソみたいな正義感を振りかざし、責任を取らない久美の様な人間の方がおかしいし怖い。何ならこいつが一番の悪なのだ。この本はホラーではない。2025/07/30
きょん
5
これは帯にあるようなサイコホラーなのか?不安神経症を拡大解釈した感じか。登場した幻猫の意味は?いろいろともっと壮大な展開になりそうで、結局ならないところが、新井素子さんでした。2025/07/30
YOU
4
多分私が10代後半〜20代の頃、流行った作家さん。今回初読みである。話そのものも『24時間 働けますか〜』の頃である。日本全土がイケイケで、バブル期全盛期。主人公三津子のように専業主婦も沢山いたであろう。旦那様の健康管理が全て、旦那様が喜ぶことが私の生きがい。時代錯誤感はあるけど、わからなくもない。ただこの作品のジャンルは何だろう?ミステリー?ホラー?SF?いずれも中途半端。白い虫やUFOの話は壊れてる事の伏線なのか?最近オススメでこの作家の名前をよく聞くが、私には合わなかった。2025/06/29
カナ
3
忙しくて家にいない夫と専業主婦の妻の話。 日記に書かれる内容がだんだんとヤバい方向になるのが奇妙で面白かった。幻猫なんてワードはこの小説で初めて見た。私自身も専業主婦だけど、かわいい怪獣がいるおかげで正気を保てているだけかもしれない...2025/07/28
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