「陰翳礼讃」と日本的なもの:建築と小説の近代

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「陰翳礼讃」と日本的なもの:建築と小説の近代

  • 著者名:中村ともえ【著】
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 教育評論社(2025/06発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784866241159

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内容説明

小説家としての谷崎潤一郎の名前を超えて、ひろく、長く読まれてきた「陰翳礼讃」―― 陰翳とは何か。それが日本的なものだとはどういうことか。

「陰翳礼讃」は創元選書の表題作になったことを契機に、谷崎潤一郎という小説家の個人的な随筆から、知識階級の読む日本文化論へと進化(グレードアップ)した。「陰翳礼讃」というテキストは、「文化」を謳う一九三〇年代の知的な教養の中に位置づけられたのである。
「陰翳礼讃」は、命題として何が語られているかだけでなく、何事かを語るレトリックそれ自体を読み解くベきテキストである。「陰翳礼讃」で行われているのは、建築を文学を語るための比喩として組織すること、すなわち建築を文学の修辞とすることである。
一九三〇年代、建築界では建築における「日本的なもの」が論じられた。その議論に触発された小説家たちは、建築を媒介にしてそれぞれに思索を展開した。本書で取り上げるのは、そのような思考の痕跡の刻まれたテキストである。本書では、小説家たちが話題にする建築家や建築物、建築論を広義の比喩と見なし、その表現を同時代の文脈の中で読み解く。
建築と小説という異なる領域の交錯する地点から、日本的なものという主題を捉えなおすこと、本書のねらいはそこにある。本書の独自性は、建築界の議論と小説家のテキストが交錯する範囲を画定し、そこに対象を再配置する点にある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Go Extreme

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陰翳礼讃 日本的なもの 建築と小説の近代 桂離宮 建築の極点 天皇的なものと将軍的なもの 床の間とその裏側 日本趣味建築 過去の構成 似而非日本建築 最も日本的なるもの 大東亜建設記念営造計画案 富士山と忠霊 民衆的 異文化理解 心の故郷 建築の日本化 神仏習合の権現造 雑婚 日本化時代 帝冠様式 陰影や奥ゆかしさ 障子を通した柔らかな光 西洋的なものと日本的なものの葛藤 グローバル化の中での文化のあり方 世界最高の芸術 物体的・構築的なもの 行為的・空間的なもの 国土の意義や場所性 故郷を失った文学2025/04/16

インテリ金ちゃん

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1930年代の「陰翳礼讃」の意味するものを建築や文学的な視点から検証していく。戦後・現代の意味付けとの違いなど考えたこともなかった。2025/06/18

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