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内容説明
世界は支配する側とされる側に分かれつつある。その武器はインターネットとAIだ。シリコンバレーはAIによる大失業の恐怖を煽り、ベーシックインカムを救済策と称するが背後に支配拡大の意図が潜む。人は専制的ディストピアを受け入れるしかないのか? しかし、オードリー・タンやE・グレン・ワイルらが提唱する多元技術PLURALITY(プルラリティ)とそこから導き出されるデジタル民主主義は、市民が協働してコモンを築く未来を選ぶための希望かもしれない。人間の労働には今も確かな価値がある。あなたは無価値ではない。テクノロジーによる支配ではなく、健全な懐疑心を保ち、多元性にひらかれた社会への道を示す一冊。
目次
はじめに――シリコンバレーが広める絶望
第1章 失われた道/DAO――専制か民主主義か
第2章 多元性とは何か
第3章 近代を超える思想
第4章 新しい政治のかたちを求めて
第5章 コモンへの道/DAO
おわりに――2030年の世界に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
26
インターネットとAIを使ったテクノロジーによる支配が生まれつつある中で、健全な懐疑心を保ち多元性にひらかれた社会への道を示す1冊。シリコンバレーはAIによる大失業の恐怖を煽り、ベーシックインカムを救済策と称するが背後に支配拡大の意図が潜む中で、インターネットの理想と現実、統合的テクノクラシーや企業リバリアニズム、デジタル民主主義といった新たな概念が生まれて、繋がりをベースにした多元性や財産の共同所有、データの尊厳や新しい政治の形、多元的な投票や市場、マネジメントの新たな可能性を感じさせてくれる1冊でした。2025/07/09
maghrib
5
オードリータンが推奨するPluralityの解説書。民主主義によるIT技術のコントールを否定する統合テクノクラシーや企業(テクノ)リバタニアンと異なり、異なる意見の共存を尊重するデジタル民主主義への道を説く。20世紀初頭のマスメディアが発展したときに民主主義に悲観的だったリップマンとそれを乗り越える道を説いたデューイと対比しているのは興味深い。異なる意見の橋渡しの立場を取るので、左右どちらかからも反対されるのはしょうがないというところはあるが、可能性は感じられる。2025/07/20
k inoue
2
多様な人が参加するようになったことで民主主義は機能不全を起こしつつあるように思います そんな民主主義の仕組みに進化してきたテクノロジーを組み合わせ、多様な人々の意見を吸い上げる仕組みなどを検討されています 複雑な世界を簡易化せずに複雑な状態を表現できるように例えば投票を1人1票とせずにある式に沿って複数の票を投じれるようにする事で多様な考えを表現できるようにするなどが考えられています まだまだプルラリティは新しい概念ですがこの試みが拡がると面白そうだと感じました2025/09/12
mikan
1
最近聞くようになったテックライトなどの思想を批判しつつ、PLURALITYと呼ばれる考え方を紹介する本。ただこの本を読んだ限りでは、PLURALITYは思想というより、民主主義を進化させるためのインフラ技術の総称という印象が強かった。とはいえ、この本で紹介しているインフラ技術はどれも面白い。個人的に投票は一人一票と思い込んでいたので、QVという消費クレジット数により支持の濃淡を表現できる仕組みにはハッとした。2025/09/17
mm71
1
統合テクノクラシーでも企業リバタリアニズムでもない第3の道、デジタル民主主義、多元性。COSTの考え方は面白い。自分のデータにしっかり対価をもらうのも確かに。コミュニティノート、多元的投票、QVさまざまな例をもとによりよいデジタル民主主義の可能性が見える。2025/07/29
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