内容説明
派遣契約最終日の帰り道、バターと砂糖の甘い香りに誘われた詩葉が見つけたのは、千駄木の路地奥に佇む「ガレットとクレープの店 ポルトボヌール」。“幸せの扉”という意味だという。店を切り盛りするのは、赤い髪の店主・多鶴さんだ。こだわりの本格ガレットを食べて魅了された詩葉は、四日間通いつめアルバイトで雇ってもらうことに。ブルターニュ仕込みのおいしい料理と謎めいた常連さんに囲まれて、三十五歳の詩葉の新たな生活が始まる──疲れた心をおいしく癒す、あたたかな連作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
141
自分に自信を持てず流されるままな生き方をしていた詩葉(ことは)。そんな詩葉が、ブルターニュ仕込みのガレットとクレープの専門店と出会い、料理に魅了され働くことに。店主の多鶴さんと働きつつ、常連さんと交流していくうちに、詩葉は自分に自信を持つようになる。常連さんとの交流より、多鶴さんの店のこだわりが、詩葉を自信と一歩踏み出す勇気をくれたのかもしれない。私の記憶か確かなら、ガレットというナウい料理は食べたことがない。食べてみたいな。ガレット食べたあとは、もちろんクレープも食べるよ。優しく温かい物語だ。2025/10/18
ちーちゃん
24
よかった♡今回は文庫本で再読…無性にガレットを食べたくなったこと以外、ほぼ覚えてなくて(笑)存分に楽しめた。加筆修正にも全く気づけず…この言葉📝メモしたかもと思いつつまたドキリ(コレを辞めてもあなたの人生が終わるわけじゃない、これからも続くの。これからの方が大事なの、行く先が変わるだけで旅は続くんだから。何かに負けたわけでも、失敗したわけでもない。これまでの努力が無駄になることはない…1つのことをやりきって、次に進むだけ)(自分の皿は自分で決めてシェアしない。自分で選んだ皿・人生を最後まで味わい尽くす)2025/12/06
りょう
10
よくありそうな食べ物屋さんとそこに集まる人たちの連作集。これは、それに自分の足で立つこと、覚悟して生きることを入れた自立の物語になってます。2025/10/24
テリトリーM
7
35歳の詩葉が仕事を無くした日に見つけたガレットとグレープのお店『ポルトボヌール』。赤い髪の店主多鶴さん、ゴーギャンの絵、その人のためのガレットが詩葉を魅了した。これはそこで働くことになった詩葉と『ポルトボヌール』に集う人たちのお話。「このお店にはお任せがないし、シェアも許さない」私は誰かとシェアするのが苦手。でも断りづらいのでこのシステム、ありがたい。2025/11/27
TOMTOM
6
路地裏にあるガレット専門店を舞台にした群集劇。読後、タイトルの「しあわせ」には違和感。しいて言うならば選択できるしあわせ、なのかな。一方で決断するという重みも。可も不可もなく無難な物語でした。2025/07/11
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