内容説明
愛する人の生と死から、最期まで目を逸らさなかった著者は強靭なわけではない
ただシンプルに「愛した」のだと思う ――西 加奈子(作家)
NYタイムズベストセラー
ラスボーンズ・フォリオ賞最終選考作品
「どうかこのことを書いてほしい」と夫は言った――
小説家で心理療法士のエイミーは50代で、お互い別の相手と暮らしながらも建築家のブライアンと恋に落ち、結婚。しかし12年後、最愛の夫の異変に気づく――ブライアンはアルツハイマー型認知症だったのだ。
「自分の死に方は自分で決めたい。どうにかして手はずを整えてもらえないだろうか」と言う夫の希望を叶えるため、苦悩しながら手を尽くし、以前の幸せな生活、二人の出会い、ブライアンという人を振り返る愛と喪失のメモワール。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
33
”愛と喪失の記録”と聞いて想像するような決して陳腐な本ではない。感情を掻き立てようとする大袈裟なエピソードは少なく、これみよがしに人生についての説教を語ることもない。飽くまでも「死へ自らの意志で向かう人間」の伴侶による冷静で率直な記録であり、愛について、死について何かを考えるのは読者の勝手なのだという気がしてしまう。最後まで直線にはならず揺らぐ感情も、だからこそ真実ありのままに綴っているようで痛切極まりない。作家として読者を楽しませようとする意思は勿論感じられるが、飽くまでも愛する夫のための記録なのだ。2025/10/28
ぽてち
32
著者は小説家だが、本書は小説ではない。彼女の最愛の夫ブライアンがアルツハイマー型認知症にかかり、取り返しのつかない事態になる前に安楽死することを選択して、チューリッヒにあるディグニタスという団体を訪れる。邦題は「五日間」となっているがそれは実際にスイスに向かってからの期間であって、そこに至るまでの苦労や過去の様々な思い出が、時間の流れにとらわれることなく描かれていく。それは愛に満ちていた。安楽死・尊厳死を巡ってはいろいろな意見があるが、ぼくは生きる権利と同様に死ぬ権利も認めていいと思っている。2025/08/24
ichi
4
【図書館】あまり心に響かず、淡々とした日記調。2025/09/27
takao
0
ふむ2025/11/11
ゆかり
0
変わりゆくパートナーを共に暮らしてあらかじめ計画した死に立ち会い生きていく2025/09/28




