内容説明
『三国志』のあと、中国はまたもや大分裂の時代を迎えていた――混沌の136年を駆け抜けた英雄たちの足跡を追う
「五胡十六国時代」。それは奴隷が皇帝に成り上がり、怪僧が暗躍し、無数の胡族と漢族が覇を競った混沌の一三六年。ポスト三国志の政治秩序を再構築し、胡漢が融合する新たな「中国」のため奮闘した五人の英雄の姿を通じて、東洋史上最大の乱世の実像を劇的に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
19
とにかく複雑怪奇という印象のある五胡十六国時代を、石勒、苻堅、慕容垂といったように章ごとに視点人物を定めて概説。その人選がうまくいったということか、わかりにくいなりに時代の流れを追うことができる。本書の随所でこの時代特有の天王号の意義を考察している点、それと関連して各政権が理想とした王朝の形、石勒政権や苻堅政権など、この時代の集団が胡漢入り乱れていたことなどが印象に残った。2025/06/10
ピオリーヌ
18
2025年の刊。ハヤカワ新書。あとがきにあるように著者は三崎良昭『五胡十六国』に刺激を受け、大学のAO入試も肥水の戦いについて小論文を書いたという。簡便・平易なものをという編集者の依頼に応えて書かれたのが本書であり、時間軸的な展開に沿って書かれたこの内容は、その依頼に応えているように思える。五胡十六国の時代の取っ掛かりにお薦めの一冊。主要人物に焦点が当てられているが一人あげるとすれば慕容垂か。腹芸が苦手な慕容垂の様子をかえって人間的な魅力があると評す著者に同意見。2025/08/11
電羊齋
16
本書サブタイトルの通り数々の王朝が乱立し、その王朝内でも複雑な権力闘争が行われた五胡十六国時代。この滅茶苦茶ややこしい時代について、司馬越、石勒、苻堅、慕容垂、赫連勃勃ら章ごとに定点的な主人公的人物を設定して、その視点から解説するという形を取っている。おかげで各王朝・集団の動向が追いやすくなっている。また、この時代の各王朝の構造、各王朝での胡漢の混合、この時代独特の「天王」号など興味深いテーマが多かった。2025/06/24
MUNEKAZ
15
とにかく複雑な印象のこの時代だが、特定の人物にフォーカスして描く構成のためか、意外と読みやすかった。また最近は拓跋国家や南北朝についての優れた概説書もポツポツ出ているので、時代が下るほど「これ習ったやつ」とばかりに読むのがラクになっていったかな。「皇帝」か「天王」か、胡漢の融合と対立など、時代を特徴付ける部分にも適宜触れているのも良い。あとがきにもある三崎良章氏の『五胡十六国』も併せて読むと、本書で抜けている部分が補えて理解が深まると思う。2025/07/07
Mzo
13
こういう乱世の概説は面白くて好きなんだけど、残念ながら一回読んだだけでは覚えきれない…。良書なのに、私の頭がもったいない。誰か、面白い歴史小説にしてくれないものかな。とりあえず、陳舜臣の小説十八史略は読み返したいです。2025/07/06
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