内容説明
『三国志』のあと、中国はまたもや大分裂の時代を迎えていた――混沌の136年を駆け抜けた英雄たちの足跡を追う
「五胡十六国時代」。それは奴隷が皇帝に成り上がり、怪僧が暗躍し、無数の胡族と漢族が覇を競った混沌の一三六年。ポスト三国志の政治秩序を再構築し、胡漢が融合する新たな「中国」のため奮闘した五人の英雄の姿を通じて、東洋史上最大の乱世の実像を劇的に描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
29
図書館本。五胡十六国時代の渾沌とした状況・推移を、一般向けにできるだけ分かりやすく概説しようとする試み。この時代の歴史、何度読んでもなかなか頭に入りません。本書では、地図や系図なども小まめに掲示して読者の理解を助けようとしてくれている姿勢が嬉しい。けれどこれらの地図、本文との整合などの面でもう一工夫してもらえたら更にありがたいかも。対象を概ね政治史のみに限定し、取り上げる人物などもかなり絞ってくれてるようですが、それでも十分複雑。五胡十六国史って、よっぽど頭の整理の良い人じゃないとダメなのかも?2025/10/26
kuroma831
26
五胡十六国をテーマにした新書が出るとは魏晋南北朝好きとしては本当にたまらない。あまりに多様な国が勃興するので、司馬越、石勒、苻堅、慕容垂、赫連勃勃を各章のテーマに据えることで、八王の乱から北魏の華北統一までを時系列に沿って描こうとする。五胡十六国の概説書は三崎良章が著名だが、三崎本が国ごとにテーマにしていることに対して、本書は時代ごとのキーパーソンを指定した編年体とも言える。とはいえ乱世なので時系列や場所の行ったり来たりは多く、ある程度中国史に慣れた人間でないと読むのは難しいかもしれない。2026/02/22
よっち
22
304年の匈奴漢の建国から439年の北魏による華北統一までの136年間、人々はなにを求めて戦い何を成し得たのか。「五胡十六国時代」を解説する1冊。匈奴・羯・鮮卑・氐・羌などの胡族と、中原に居住していた漢族が衝突・融和を繰り返し、既存の秩序や常識が更新され、奴隷が皇帝に成り上がりもした激動の時代を八王の乱から後趙の石勒、前秦の苻堅、後燕の慕容垂、北魏の拓跋珪を中心に北魏が統一するまでを解説していて、八王の乱にだいぶページを割いていた印象でしたが、西北地域の動向なども紹介されていてとてもわかりやすかったです。2025/08/17
ピオリーヌ
21
2025年の刊。ハヤカワ新書。あとがきにあるように著者は三崎良昭『五胡十六国』に刺激を受け、大学のAO入試も肥水の戦いについて小論文を書いたという。簡便・平易なものをという編集者の依頼に応えて書かれたのが本書であり、時間軸的な展開に沿って書かれたこの内容は、その依頼に応えているように思える。五胡十六国の時代の取っ掛かりにお薦めの一冊。主要人物に焦点が当てられているが一人あげるとすれば慕容垂か。腹芸が苦手な慕容垂の様子をかえって人間的な魅力があると評す著者に同意見。2025/08/11
さとうしん
20
とにかく複雑怪奇という印象のある五胡十六国時代を、石勒、苻堅、慕容垂といったように章ごとに視点人物を定めて概説。その人選がうまくいったということか、わかりにくいなりに時代の流れを追うことができる。本書の随所でこの時代特有の天王号の意義を考察している点、それと関連して各政権が理想とした王朝の形、石勒政権や苻堅政権など、この時代の集団が胡漢入り乱れていたことなどが印象に残った。2025/06/10
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