内容説明
砂漠の果て、大海をのぞむ崖の上に、忽然とあらわれる遠未来都市〈シナバー〉。市民たちは機械知性のゆきとどいた管理のもと、永遠の命を享受していた。聡明にして奔放な、〈ネットワーク〉の美しきスター。奇抜な発明で都市を騒がせる何でも屋の科学者。母性と知性を強化された巨大な乳母猫。珍奇な愉しみに事欠かない彼らの日々はしかし、メランコリアと退廃に蝕まれてゆき――J・G・バラードの記念碑的名作〈ヴァーミリオン・サンズ〉の影響のもと、ネビュラ賞作家ブライアントが情感ゆたかに描きだした、幻の都市SF連作がついに邦訳!/解説=大野万紀
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
27
砂漠の奥深く大海を眺望できる陸の孤島に近未来都市シナバーはある。高度な人工知能が管理する社会、住民は老化から解放され、また人類としての種からも解放された多様な形質を持つ人々は理想郷での暮らしに安穏としてきた。ユートピアという虚構は人々から活力を奪い、頽廃とした空気はやがて都市の構造を覆す転機となっていく。本作が刊行されたのは約50年前ということを考えると、古さを感じずにはいられないSF設定やガジェットも気にはならない。それよりも今現在賛否の議論が活発な”多様性”に関する現代社会を予知した描写に舌を巻く。2025/09/17
本の蟲
19
『ヴァーミリオン・サンズ』にインスピレーションを得て書かれた、砂漠の果ての未来都市オムニバスSF。作中設定・常識・用語説明が一切ないまま放り出される、SFにはありがちな始まり方なので、やや取っつきにくい部分はある。自分はバラードに代表される有閑退廃世界にさほど思い入れがないので、好みの問題かも。あとがきでも触れられている「ヘイズとヘテロ型女性」と怪獣SFとも言える「シャーキング・タウン」は面白く読めた2025/09/05
スターライト
8
『シナバー』はLDGと呼ばれたグループの一人、エドワード・ブライアントによる連作短篇集。本人も述懐している通り、バラードの〈ヴァーミリオン・サンズ〉に触発されて書かれたもの。シナバーへ至る道に現れた男カフターの話「シナバーへの道」を劈頭に、シナバーの終焉を描く「ブレイン・ターミナル」までシナバーに住む人々の物語が紡がれる。巻末解説にあるとおり、コードウェイナー・スミスの影響は確実にあるだろう。望めば不死も得られ、形態も自由に変えられる退廃感漂うこの都市は、70年代の時代の空気を見事に表現している。2025/08/03
土筆
6
約50年前のSF。老いない都市シナバーでの暮らしを描いた短編集。登場人物や設定の説明なく物語は始まり、フランスの白黒映画を見てるよう。他の方が良いと薦めてる本を楽しめないと寂しくなる。お酒を飲んでたせいか。2025/09/16
rinakko
6
〈ヴァーミリオン・サンズ〉からインスピレーションを受けた作品なんて、読まずにはいられない。つい期待した “あの世界と地続き” のような内容ではなかったけれど、70年代頃のSFの懐かしい雰囲気は楽しめた。2025/08/04
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