創元SF文庫<br> シナバー 辰砂都市

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創元SF文庫
シナバー 辰砂都市

  • ISBN:9784488626112

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内容説明

砂漠の果て、大海をのぞむ崖の上に、忽然とあらわれる遠未来都市〈シナバー〉。市民たちは機械知性のゆきとどいた管理のもと、永遠の命を享受していた。聡明にして奔放な、〈ネットワーク〉の美しきスター。奇抜な発明で都市を騒がせる何でも屋の科学者。母性と知性を強化された巨大な乳母猫。珍奇な愉しみに事欠かない彼らの日々はしかし、メランコリアと退廃に蝕まれてゆき――J・G・バラードの記念碑的名作〈ヴァーミリオン・サンズ〉の影響のもと、ネビュラ賞作家ブライアントが情感ゆたかに描きだした、幻の都市SF連作がついに邦訳!/解説=大野万紀

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スターライト

7
『シナバー』はLDGと呼ばれたグループの一人、エドワード・ブライアントによる連作短篇集。本人も述懐している通り、バラードの〈ヴァーミリオン・サンズ〉に触発されて書かれたもの。シナバーへ至る道に現れた男カフターの話「シナバーへの道」を劈頭に、シナバーの終焉を描く「ブレイン・ターミナル」までシナバーに住む人々の物語が紡がれる。巻末解説にあるとおり、コードウェイナー・スミスの影響は確実にあるだろう。望めば不死も得られ、形態も自由に変えられる退廃感漂うこの都市は、70年代の時代の空気を見事に表現している。2025/08/03

rinakko

6
〈ヴァーミリオン・サンズ〉からインスピレーションを受けた作品なんて、読まずにはいられない。つい期待した “あの世界と地続き” のような内容ではなかったけれど、70年代頃のSFの懐かしい雰囲気は楽しめた。2025/08/04

迦陵頻之急

0
遥か昔「ヴァーミリオン・サンズ」の巻末解説で存在を知った本作、刊行後半世紀を経てようやく邦訳。バラードのパスティッシュでも二次創作でもないので、原典の作風とは全く別物。情景描写やSFガジェットが心象の表出となっているバラードに対し、こちらは普通にSF、というか生活に余裕ある市民達の日常的な享楽生活を描いた、現代の一般小説に近い味わい。未来都市の終末を描く構想の遠大さに比して、作品の感触がどこか逃避的でミニマルな印象なのは、そういう作家世代なのか。保守反動によるジェンダーフリー攻撃を描いた一編は預言的。2025/08/17

はみ餅

0
ひょっとして連作だから時間が経つにつれて著者の都市に対するイメージが変わってきてる?1話目はパステル都市みたいな土人がひしめくオアシス都市っぽい感じだったのに、2話目からは普通に未来都市の話になってるし。最終話は全然ノリが違うし。1話目が1番好き。2025/08/01

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