内容説明
会社員の森下は、単独登山中に滑落死した同僚・能見香織の慰霊のため、上司と先輩の三人で雪山に赴く。山荘の主人から、「この山には遭遇した人間に〈問いかけ〉をする雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……(白い吐息 新釈「ゆきおんな」)。大勢の死者を出したツアーバスの事故から、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて……(午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」)。その他「ろくろ首」「水飴を買う女」「貉(むじな)(のっぺらぼう)」と、有名作をモチーフにした全五編を収録。小泉八雲の代表作『怪談』刊行から約百二十年、妖しくおぞましい世界が令和に蘇る!/【目次】「白い吐息――新釈「ゆきおんな」」慰霊登山に向かった会社員たち。山荘で「この山には雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……/「デラシネの頭骨――新釈「ろくろ首」」不可解な殺人事件と二つの失踪事件を、刑事が追うが……/「マイ・ファミリー――新釈「水飴を買う女」」仲が冷え切った夫婦。妻が夫に、「勤め先に水飴を買う女の幽霊が来る」と言い出し……/「午前零時の講演会――新釈「耳なし芳一」」多くの死者を出したバス事故の生還者が、次々に事故死し……/「『贖罪(しょくざい)』という名の人形――新釈「貉(むじな)(のっぺらぼう)」急逝した人形作家の追悼展に、夜な夜な幽霊が現れて……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
54
八雲の「怪談」が令和を舞台に蘇る。父母から離され国から離れた八雲の寄る辺ない魂が愛し憧れた日本の情念の湿り気と哀しみと死んでも千切れない祝とも呪とも言えそうな愛の絆を託した馴染みのある五つの怪談は時を移し舞台を変えることで不思議とかつて八雲が見た日本の面影を色濃く浮き上がらせたように感じた。初めての作者さんだが、新味が奇に傾き過ぎない落ち着いた筋運びがとても好印象。八雲自身を「安藝之介の夢」に落とす序結も楽しい。日本での温かな思い出の余韻が蝶ならば、塚の闇に眠る蟻は彼の心が求めて産んだ美しい怪談だろうか?2025/08/23
ポチ
41
現代だとこんな感じになるのかぁ。原作とは完全に別物だがゾクリと嫌な感じの終わり方も味がありますね。2025/08/05
のりすけ
39
今ブームの小泉八雲怪談を現代に落とし込んだ短編集。「マイ・ファミリー」は怪しさ漂う始まりだったがそっちか!と言う驚き。この辺り現代の世相も取り込んでるのかしら。「耳なし芳一」は『ファイナル・ディスティネーション』に落とし込んでて面白かった。そのオチはえぐい。最新作の『ファイナル・デッドブラッド』雪富さんは観に行かれたのかな。…上映館少なっ!2025/11/14
たけちゃん
17
⭐3 小泉八雲『怪談』令和バージョン。好みは雪山が出てくる「白い吐息(雪女)」。一番怖いのは…表紙の絵 ((유∀유||))2025/08/31
みや
15
『怪談』の代表作をモチーフに現代日本を舞台にした5編収録。『怪談』と聞いて私が勝手に望んだものとの乖離がありすぎて最後まで居心地が悪かった。時代設定か展開のせいかは不明だが俗っぽくて安っぽい。適度なファンタジー感が『怪談』の魅力なのかも。『怪談』と絡まなければ狂気や心の闇を抉り出す後味の悪いイヤミスやホラーとして純粋に楽しめた気がする。ツアーバスの事故で奇跡的に生き残り、盲目となった男が脚光を浴びる『午前零時の講演会』はファイナル・デスティネーション×耳なし芳一というアクロバティックなホラーで楽しかった。2025/09/26
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