内容説明
夏休み、小学三年生の瑛介は血小板数値の経過観察で一ヶ月以上、入院している。退屈な病院での日々。そんなある日やって来たのが「俺、チビだけど、九歳」と陽気に挨拶する同学年の壮太だった。低身長の検査入院らしい。たちまち打ち解けた二人。でも一緒にいられるのは、あと少ししかない――表題作「夏の体温」。大学生男女の新たな歩みを描く「魅惑の極悪人ファイル」と掌編「花曇りの向こう」の全三編。ビターな想いをじんわりと温かく包みこむ、瀬尾ワールドの真骨頂! 文庫版特典として、巻末にエッセイを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
282
新しい知り合いと言うか、お友達が出来るって言う。表題作から始まる3篇かなぁ+あとがきにかえての特別エッセイ『その差、二十』収録。結局は対人関係強者がいつも勝つって事なのか(違います)。どの話もほんのりと優しい風を送り込んでくれる様ですよ。そいでもって、自分の殻が少し剥けるのね。安心安定のまいこさんワールドですわ。ウイットに富んでいて善いでは無いですか。病気も男女差も味覚や文化圏の差も身長差も年齢差などなどもを超えて行けよ。行けば分かるさ。ありがとー✧ ٩( ๑•̀o•́๑ )و。2026/08/25
Kazuko Ohta
99
趣の異なる短編3つ。どれがいちばん瀬尾さんらしいかと考えたら、10頁に満たない3つめかも。2つめは皆が腹黒だと名指しする大学生男子に取材を申し込んだ女子大生作家が主人公でちょっと異色。1つめは夏の病院に入院中の少年2人の交流。こうして書くとありがちな感動話に聞こえそうだけど、長期入院中の僕と、低身長で検査入院する彼との数日間のやりとりは時に笑いを誘います。最期の入院中だった私の母に「またね」と言うと「“またね”あるかな」と言っていたのを思い出して、結局いつものように瀬尾さんに泣かされてしまうのですけれど。2025/07/15
やな
84
懐かしいような、ほっこりするお話でした。2025/06/28
レモン
43
入院先で出会った少年との友情が眩しい表題作と、自分の容姿にコンプレックスがある大学生小説家が学内で有名な極悪人を取材する『魅惑の極悪人ファイル』に掌編が1編。底抜けに明るい低身長の少年が良い子すぎて、年齢の割に悟り切っているような性格がやや現実味に欠ける。退院後の再会は恐らくないであろう、ほんのひと時の友情が夏の陽射しのように眩しい。表題作も良いが『極悪人ファイル』の方が好み。大学に入るまで友達を作れなかった主人公の初めての友達が、極悪人と渾名される善人という設定が良い。友達になる過程もとても自然だった。2026/07/10
坂城 弥生
41
表題作より『魅惑の極悪人ファイル』のが好きだったなあ。2025/09/09




