内容説明
たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること――。バリ島の寺院で、ブエノスアイレスの郊外で、冬の金沢で。旅のなかで思索をめぐらせた、トラウマ研究の第一人者による深く沁みとおるエッセイ。解説 天童荒太
目次
I 内なる海、内なる空/なにもできなくても/○(エン)=縁なるもの/モレノの教会/水の中/内なる海/泡盛の瓶/だれかが自分のために祈ってくれるということ/予言・約束・夢/II クロスする感性──米国滞在記+α 二〇〇七─二〇〇八/開くこと、閉じること/競争と幸せ/ブルーオーシャンと寒村の海/冬の受難と楽しみ/宿命論と因果論/ホスピタリティと感情労働/右も左もわからない人たち/弱さを抱えたままの強さ/女らしさと男らしさ/動物と人間/見えるものと見えないもの/捨てるものと残すもの/ソウル・ファミリー、魂の家族/人生の軌跡/III 記憶の淵から/父と蛇/母が人質になったこと/母を見送る/溺れそうな気持ち/本当の非日常の話/張りつく薄い寂しさ/IV 傷のある風景/傷を愛せるか/あとがき/文庫版あとがき/解説 切実な告白と祈り 天童荒太/初出一覧/エピグラフ・出典



